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作業療法士と別に資格を取得している状態をダブルライセンスと言います。
例えば、作業療法士と理学療法士の資格を両方取得しているというようなことです。
作業療法士がダブルライセンスを目指すことには、スキルアップにつながり、仕事の幅を広げることになります。
しかし、取得する資格によっては大きなスキルアップに繋がらないこともあり、ダブルライセンスの意味をなさないこともあります。
また、ダブルライセンスを取得したとしてもうまく活用することができなければ、何の意味もありません。
ダブルライセンスを取得するにあたって、知っておくべきことは数多くあるのです。
そこで、この記事では作業療法士におすすめするダブルライセンスとダブルライセンスの取得方法を解説していきます。
作業療法士におすすめするダブルライセンスと取得方法
作業療法士がダブルライセンスを取得するメリット
まず、作業療法士がダブルライセンスを取得するメリットはあるのでしょうか?
作業療法士という資格だけでも、十分仕事に困ることはない資格です。今後、作業療法士の需要は高まっていくことが予測されますし、仕事がなくなってしまうということはないと私は考えます。
作業療法士だけでも十分価値のある資格という中で、作業療法士がダブルライセンスを取得するメリットは以下の通りです。
作業療法士がダブルライセンスを取得するメリット
- スキルアップに繋がる
- 仕事の幅が広がる
- キャリアチェンジすることもできる
1.スキルアップに繋がる
まず、一つ目は作業療法士としてスキルアップに繋がるということです。
作業療法士のスキルアップの方法には『転職』『資格取得』『ダブルワーク』という3つの方法がありますが、ダブルライセンスとして資格取得することもスキルアップに繋がります。
どの資格と作業療法士とダブルライセンスにするかにもよりますが、作業療法士の業務に生かせるものであれば大きなスキルアップも期待できるため、ダブルライセンスの大きなメリットと言えるでしょう。
作業療法士は、常にスキルアップを目指していかなければならない職業です。転職・ダブルワーク・資格取得などを通じたスキルアップを目指してみましょう。
スキルアップの方法については以下の記事にまとめています。
関連記事:【必見】作業療法士がスキルアップする方法や資格・検定
2.仕事の幅が広がる
作業療法士とのダブルライセンスを取得することは、仕事の幅をつなげることに繋がります。
例えば、作業療法士だけでは難しい業務でも、言語聴覚士の資格を取得していれば簡単に可能となります。
介護福祉士とのダブルライセンスであれば、介護の知識も身に着けることができ、家族への指導も容易になるでしょう。
他の、資格とのダブルライセンスにおいても仕事の幅を広げることができます。
作業療法士の資格に限界を感じているという方であれば、ダブルライセンスを取得するメリットは大いにありそうですね。
3.キャリアチェンジすることもできる
作業療法士とのダブルライセンスを取得すれば、キャリアチェンジすることもできます。
作業療法士という仕事は、やりがいがありますし、安定性が高いという面でも良い職業であると感じます。
私自身、作業療法士として働き続けるのは作業療法士にいくつかの魅力を感じているからです。
しかし、作業療法士は収入が低く、金銭的な面では大きな不安があります。
収入が低いため、『副業をする』『転職をする』などして工夫をしていかなければならないと私は考えています。
そして、作業療法士よりも収入の高い仕事に転職するというのも選択肢の一つといえるでしょう。
作業療法士とダブルライセンスを取得することによって、作業療法士ではない仕事をすることもできるようになります。
キャリアチェンジを可能にするというのもダブルライセンスを取得する大きなメリットでしょう。
関連記事:作業療法士におすすめの副業10選!在宅で可能なダブルワークも紹介
作業療法士がダブルライセンスを取得する際の注意点
作業療法士がダブルライセンスを取得することにはメリットもありますが、多くの注意点やデメリットも存在します。
作業療法士がダブルライセンスを取得する注意点
- ダブルライセンス取得には労力がかかる
- 選択する資格によってはメリットが少ない
- 費用が掛かる
1.ダブルライセンス取得には労力がいかかる
ダブルライセンスを取得するためには、必ず勉強をしなければなりません。
さらに、取得する資格によっては養成校に通ったり、講座を受講する必要があるものもありますので資格によっても労力は異なってきます。
作業療法士を続けながらダブルライセンスの取得をすることが可能なのか。
作業療法士の業務状況や私生活でどれほどの時間を資格取得に利用できるのかを考えたうえで、ダブルライセンスの取得を決めましょう。
2.選択する資格によってはメリットが少ない
作業療法士が、ダブルライセンスを取得する際には、どの資格とのダブルライセンスにするのかが重要となります。
ダブルライセンスの選択を失敗すると、まったくメリットがなくなってしまいます。
あなたが、ダブルライセンスを取得する目的がスキルアップなのか、業務の拡大なのか、それともキャリアチェンジなのかを明確にしてから、取得する資格を検討してみましょう。
3.費用がかかる
作業療法士がダブルライセンスを取得する際には、ダブルライセンス取得のための勉強費用や試験費用がかかります。
勉強のための本を購入するだけでも数万円かかることを覚悟しておかなければなりません。
現在の、経済状況に余裕があれば良いと思いますが、ダブルライセンスの取得の際には財布との相談も必要となります。
作業療法士におすすめするダブルライセンス
選択するダブルライセンスによっては、まったく意味のない取得となります。
では、どの資格を取得すればよいのか。
作業療法士におすすめするダブルライセンスは以下の5つです。
作業療法士におすすめのダブルライセンス
- 言語聴覚士
- 義肢装具士
- 公認心理士
- ケアマネージャー
- 介護福祉士
作業療法士×言語聴覚士
作業療法士と言語聴覚士は非常に相性が良いと感じます。
作業療法士は食事場面にアプローチすることも多いのですが、嚥下などの専門ではありません。食事に介入する際に、もっと嚥下療法に関与できたらと感じることが多いのが現状です。
また、高次脳機能障害に対しての介入においても、構音障害や失語症に対するアプローチがうまくできればいいのにと感じます。
作業療法士としては介入が難しい、領域へアプローチするために言語聴覚士と作業療法士のダブルライセンスを取得するのは大きなメリットとなります。
資格取得方法
- 2年間養成校でカリキュラム修了
- 言語聴覚士国家試験合格
作業療法士×義肢装具士
義肢装具士は医師からの処方によって、義肢・装具を作成する専門職です。
作業療法士も装具を作成することはありますが、大学などの養成校で学ぶ義肢装具学はほんのわずかです。
そのため、臨床でその知識を利用することが少ない状態の方がほとんどでしょう。
義肢装具士とのダブルライセンスを取得することによって、二つの視点から義肢装具を作成・検討することができれば、仕事の幅も広がり、キャリアチェンジすることも可能です。
資格取得方法
- 2年間養成校でカリキュラム修了
- 義肢装具士国家試験合格
※OT・PTの養成校と比較すると養成校が少ないため注意
作業療法士×公認心理士
公認心理士は心理学を専門とする公的資格であり、作業療法士も比較的取得しやすい資格です。
しかし、資格取得の条件としては法の規定する認定施設で2年間の実務に就いた人という条件があり、作業療法士として、病院や医療施設などに勤務する必要があります。
合格率も高くなく、難易度はやや高めではありますが常に人と関わる職業である作業療法士は取得して損がない資格でしょう。
また、公認心理士としてキャリアチェンジが可能な点においても、ダブルライセンス取得しておきたい理由です。
資格取得方法
- 認定施設で2年間の実務
- 公認心理士試験合格
作業療法士×ケアマネージャー
ケアマネージャーも作業療法士がダブルライセンスとして取得しやすい資格の一つです。
公認心理士と同様に、公的資格ですし合格率が20%前後と難易度はやや高めですが、介護保険のことやサービスについては作業療法士として知っておく必要がありますし、取得することに大きな意味がある資格でしょう。
また、ケアマネージャーとして開業することやキャリアチェンジも可能です。
資格取得方法
- 指定業務を5年以上かつ900日以上経験
- ケアマネージャー資格試験合格
- 研修を受講し修了
作業療法士×介護福祉士
介護福祉士は、介護職唯一の国家資格です。
介護福祉士は生活の手伝いをする仕事であり、作業療法士は生活を自立させるための仕事。
しかし、作業療法士も自宅で介護する家族に対して、介護の方法等を指導しなければならないタイミングがあります。
作業療法士業務だけをしていれば、オムツ交換などをすることはありませんし説明できない部分ももちろんありますよね。
そのような場合に、介護福祉士の観点からのアドバイスをすることができれば、安心して自宅での生活ができますね。
作業療法士として、様々な観点から生活をみるために介護福祉士とのダブルライセンスを取得することは有効です。
資格取得方法
- 実務3年に加え、600時間以上(6か月以上)の実務 者研修の受講
- 介護福祉士国家試験合格
作業療法士と理学療法士のダブルライセンスはお勧めしない
作業療法士と理学療法士のダブルライセンスはどうなの?と聞かれることもあります。
結論から言うと、作業療法士と理学療法士のダブルライセンスはおすすめしません。
作業療法士と理学療法士は業務内容で共通している部分も多く雇用条件もほとんど変わりません。
作業療法士のまま理学療法士業務をすることもできますし、作業療法を極めれば必然的に理学療法に対する知識も深まっていきます。
労力と時間・費用面を考えると、作業療法士が理学療法士とのダブルライセンスを取得するメリットは薄いといえるでしょう。
作業療法士におすすめのダブルライセンス【まとめ】
作業療法士として働いている私の意見ですが、ダブルライセンスの取得は優先すべき事項ではありません。
というのも、資格によっては2年ほどの期間を要するものもあり、金銭的な負担も伴います。
また、労力をかけたからと言ってそれに応じた見返りがある訳でもありません。
現在、スキルアップを目指すためにダブルライセンスを取得したいと感じている方は、スキルアップのための方法を一度見直してみてください。
それでも、ダブルライセンスの取得が必要と感じる場合には、上記の作業療法士におすすめのライセンス取得を目指しましょう。
スキルアップのために、第一に考えるべきは『スキルアップできる環境に身を置く』ということです。
まずは、資格取得や勉強会への支援がある職場や、技術を上げる努力をしている雰囲気のある職場への転職を考えましょう。
ちなみに、少しでも理想の職場へ転職する方法は、多くの求人を見ることです。
ハローワークだけ見ているという方は意外と多いのですが、実はハローワークの求人が全てではありません。
良い職場を見つけるためには、ハローワークにない非公開求人が多数掲載されている『転職エージェント』を利用してみましょう。
簡単に5つ紹介しましょう。
作業療法士におすすめの転職エージェント5選
求人数がもっとも多く、未登録なら最初に登録すべきエージェント
好待遇・好条件の非公開求人が多いので他のエージェントとの併用で登録必須◎
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大手マイナビのエージェント。信頼性トップレベルで安心の転職ができる
介護施設の求人も豊富で全体的な求人数もトップクラス
作業療法士の転職エージェントは数多くありますが、それぞれ異なる特徴があります。また、掲載されている求人も異なりますので最低でも2つは並行して利用するようにしましょう。
上記エージェントの詳細をご覧になりたい方は以下の記事にまとめていますので、是非ご観覧ください。
>>【現役OTが選ぶ】作業療法士におすすめの転職エージェントランキング