【忙しい?】理学療法士が老人保健施設で働くメリットデメリット

理学療法士が老人保健施設で働くメリットデメリット

理学療法士の平均月間残業時間は約5時間と言われています。

これは、他の職種と比較してもかなり少ない残業時間であり、理学療法士は比較的業務時間が短く楽な職業だと思われがちです。

しかし、実は理学療法士は職場によって残業時間や身体的な辛さなどの労働環境が大きく異なる職種なのです。

今回は、その中でも理学療法士が介護老人保健施設で働くことは、楽なのか忙しいのかという点について解説していきます。

理学療法士で老人保健施設への転職や就職を考えている方は、給料や残業・仕事内容など総合的に判断して検討してみましょう。

また、老人保健施設の理学療法士求人は病院の求人と比較すると少ない傾向にあります。

少しでも良い、環境で働くことができるように一つでも多くの求人を見ることを心がけましょう。

求人数が多く、ハローワークなどにも掲載されていない求人を保有している転職サービスも存在しています。

病院以外の求人を探すのであれば、病院以外の求人も豊富な『PT・OT・STワーカー』への登録は避けられません。加えて、非公開求人が多い『レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)』も利用すると良いでしょう。

 

PT・OT・STワーカー公式サイト >>

レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)公式サイト >>

 

【忙しい?】理学療法士が老人保健施設で働くメリットデメリット

老人保健施設(老健)とは

老人保健施設(老健)とは

理学療法士も多く働く職場『老人保健施設』とはそもそもどのような施設なのでしょうか。

老人保健施設、通称老健は以下のよう施設のことを言います。

「ろうけん=介護老人保健施設」は、介護を必要とする高齢者の自立を支援し、家庭への復帰を目指すために、医師による医学的管理の下、看護・介護といったケアはもとより、作業療法士や理学療法士等によるリハビリテーション、また、栄養管理・食事・入浴などの日常サービスまで併せて提供する施設です。利用者ひとりひとりの状態や目標に合わせたケアサービスを、医師をはじめとする専門スタッフが行い、夜間でも安心できる体制を整えています。

介護老人保健施設をご利用いただける方は、介護保険法による被保険者で要介護認定を受けた方のうち、病状が安定していて入院治療の必要がない要介護度1~5の方で、リハビリテーションを必要とされる方です。

介護老人保健施設は、常に利用者主体の質の高い介護サービスの提供を心がけ、地域に開かれた施設として、利用者のニーズにきめ細かく応える施設です。介護予防を含めた教育・啓発活動など幅広い活動を通じ、在宅ケア支援の拠点となる事を目指して、ご利用者・ご家族の皆様が、快適に自分らしい日常生活を送れるよう支援をしています。

引用;全国老人保健施設協会

似たような施設に特別養護老人ホームがありますが、機能や目的が若干異なります。

老健では、家庭への復帰を目的として高齢者の自立を支援する施設であり、リハビリテーションが重要視されています。

つまり、

老健には理学療法士や作業療法士が必須なのです。

 

老人保健施設で働く理学療法士の仕事内容

では、まずは老人保健施設で働く理学療法士の仕事内容について解説します。

老健での理学療法士の役割

老健での理学療法士の役割

先述したように、老健という施設は在宅復帰を支援するための場所です。

そこで、重要になるのが在宅復帰のための身体機能やADL能力の強化なのです。つまり、老健で働く理学療法士の役割は、老健の利用者が在宅復帰できるように必要な能力を向上させるということになります。

老健という施設の意義を保つためにも、理学療法士の在宅復帰に向けた支援が重要な役割となるでしょう。

 

老健で働く理学療法士の一日の流れ

では、続いて老人保健施設で働く方の一日の流れについてです。

老健で働く理学療法士の一日の流れ
時間 業務
8:30 出勤・朝礼
9:00 記録チェック・ミーテイング・準備
10:00 リハビリの提供(AMの部)
11:30 記録チェック・ミーテイング・準備
12:00 休憩
13:00 リハビリ提供(PMの部)
17:00 記録
17:30 定時
※雑務や会議なども日によってあり

老健で働く理学療法士の業務をまとめてみました。この一日の流れはあくまでも一つの例であり、職場によって業務内容や多忙さは異なります。

また、急な雑務が入る等もありますので毎日がこの予定通りにいくことは少ないでしょう。しかし、老健の理学療法士業務は、毎日の流れが決まっていることが多く定時で帰宅できることも多い職場が多い印象を持ちます。

 

病院と老健の大きな仕事内容の違い

急性期や回復期の病院でももちろん、在宅復帰を目指したリハビリテーションを行うと思いますが、老健ではより在宅に向かう訓練を行う必要があるということです。

このことからも、老健でのリハビリテーションにはADL訓練が重要な構成要素となる可能性が高く、作業療法士だけでなく理学療法士もADLについて詳しくなっておく必要があるでしょう。

また、急性期病院などと比較すると長期間にわたって同様の利用者を担当することも多いというのも、一つ病院と老健の違いと言えそうです。

 

老健の理学療法士は楽?忙しい?

老健での理学療法士の役割

老健での理学療法士業務は、病院で働くことと比較すると楽な場合が多いです。

というのも、基本的に毎日が同じルーティーンになることが多く同じ利用者を長期間にわたって治療することが多いからです。

しかし、老健と一言でいっても職場によって待遇や仕事内容は異なりますので『老健=楽』『老健=忙しい』という捉え方自体が間違っているのかもしれません。

ただ、楽な職場が多いのは病院か老健かどちらかというと、老健となるでしょう。

 

老健の理学療法士の給料は?

基本的に老人保健施設の給料は、理学療法士全体の給料と大きな差はありません。

しかし、役職になりやすいというメリットがあるため、長期的にみると病院勤務の理学療法士よりも高い年収を貰える可能性があります。

理学療法士の給料は中卒の生涯年収よりも低いというのが現状です。

今からでも、転職や副業で将来の資産形成を行う必要がありそうですね。

 

 

理学療法士が老健で働くメリット

理学療法士が老健で働くメリット

就職先や転職先で老健で働くことを検討している理学療法士も、多いでしょう。

そこで、まずは老健で理学療法士が働くことで得ることができるメリットを見ていきましょう。

 

在宅復帰支援の技術を養える

老健は在宅復帰を支援する施設であると、説明しました。

このことから、理学療法士はより在宅復帰を見据えた理学療法の提供を行わなければなりません。

これまで、病院業務で分かったつもりでいた在宅復帰への障壁や悩みが必ず見えてくるでしょう。

その悩みを利用者とともに解決して、訓練プログラムの立案や生活の工夫をすることによって、理学療法士としてのスキルアップを目指すことができるというのは、老健で働くことの大きなメリットです。

 

比較的業務がゆっくりしている

比較的業務がゆっくりしている

老人保健施設の業務は、比較的ゆっくりしていることが多く業務に追われて忙しいということは少ない印象です。

もちろん老健でも忙しい職場があるので一概には言えませんが、毎日固定された時間で利用者のリハビリができるという点が、比較的ゆったりした業務となる理由でしょう。

さらに、残業も少なく日曜・祝日は固定で休みの職場が多いのも老健の特徴であり、メリットです。

子供がいる理学療法士にとっては非常に働きやすく、ワークライフバランスを整えるのにも適している職場であると言えそうです。

 

集団リハビリテーションも学べる

老健によっては集団リハビリテーションを行っている場所もあります。

レクリエーションなど病院での理学療法業務では、あまり経験しない訓練を提供するきっかけにもあるので、訓練の引き出しを増やすきっかけにすることもできます。

 

役職を目指しやすい

老健は病院の理学療法士の人数と比較すると少ない傾向にあります。

上司の年齢等にもよりますが、病院で理学療法士を行うよりも役職は目指しやすくなる可能性が高いのです。

理学療法士は体力業務であり定年まで臨床で働くことが難しくなる可能性が、高い仕事です。

もし、定年まで理学療法士として働いていきたいのであれば、役職を目指し管理業務を行える地位になることをお勧めします。

臨床で働くことを望んでいるとしても、身体の衰えは誰にも予測できません。

このことからも、老健など役職を目指しやすい職場に行って高年収やリハビリの提供に頼らない業務を手にすることがおすすめです。

 

利用者の状態が安定している

老健でリハビリを行う対象者の多くは、病状が安定しており急変リスクが低い場合が多いです。

そのため、担当の患者が急変してしまう可能性が高い急性期病院などと比較するとリスク管理が簡単となり、責任感も病院と比較すると低くなります。

 

老健で理学療法士が働くデメリット

老健で理学療法士が働くデメリット

理学療法士が老健で働くことのメリットは上記の4つほどあります。

今後老健へ転職する選択肢も十分考えてよいことでしょう。

しかし、老健へ転職するためにはいくつかデメリットがあることも理解しておく必要があります。

ということで、理学療法士が老健で働くデメリットも紹介していきます。

 

老健から病院への転職難易度は上がる

理学療法士の業務内容は、老健と病院で大きく異なります。

特に、学べるスキルは大きく異なるため転職する際にも注意が必要となるでしょう。

病院での業務は、分野や機能分類によって異なりますが病状は安定しておらず急性や回復期でのリハビリテーションを行う場合がほとんどです。

また、マンツーマンでのリハビリテーションが基本であり、一人の患者につき2~3単位/日介入しますよね。

それと比較して老健では、病状が安定しており訓練の効果も目に見えないことが多いです。

また、集団でのリハビリテーションや個別リハビリに関しても1単位ほどの短い時間での介入となるため、病院の理学療法士の働き方とは大きく異なるのです。

本人の意欲にもよるので一概には言えませんが、病院と比較すると学べる知識や技術が少ないため、老健~病院への転職は難易度が高くなるということです。

 

 

やりがいがないと感じる人も多い

老健で理学療法士をしてよく聞くことは、『やりがいを感じない』という声です。

老健の役割は、在宅への復帰を支援することであると説明しました。では、本当に老健にいる入所者が在宅復帰を果たせているのでしょうか。

答えは否です。

H26年度と多少古いデータではありますが、老健の在宅復帰率は在宅強化型で59.2%、通常型では18.1%と低い水準にあり、老人保健施設という施設の機能性を生かしているとは言えません。

(参考:介護老人保健施設の在宅復帰支援に関する調査研究事業 (速報版)

ということは、理学療法士の役割であり唯一のやりがいともいえる『在宅復帰』というゴールに辿り着かない場合が多いということなのです。

このことから、老健で理学療法士をすることはやりがいがないと感じる人が多いようです。

 

一人当たりのリハビリ時間が短い

一人当たりのリハビリ時間が短い

病院から老健へ転職した理学療法士であれば特に感じやすいことなのですが、老健でのリハビリテーションは提供時間が短い傾向にあります。

病院では一患者につき40~60分はリハビリの時間を確保することがほとんどです。

しかし、老健では20分の介入がほとんどとなっており療法士が満足のいく訓練を提供できていないと感じることも多いようです。

つまり、在宅復帰を支援したいのに、関節可動域訓練など徒手訓練で訓練時間が終了してしまい、必要なADL訓練等に手が回らないという状況になる訳です。

 

介護業務を行わなければならない可能性がある

全ての老健ではありませんが、場合によっては理学療法士がオムツ交換やシーツ交換をするなど介護業務を担わなければならないことがあるようです。

このデメリットに関しては、職場によって大きく異なりますので、介護業務に抵抗がある方は事前に確認するようにしましょう。

 

理学療法士の老健求人を探すなら転職エージェントを利用しよう

理学療法士の求人はかなり多くありますが、給料が良く年間休日が多いなどの好条件求人はかなり少なく、競争率が高い傾向にあります。

さらに、老健の求人などは病院求人よりも数が少ないため好条件求人が出たとしても、すぐに定員に達してしまうのです。

では、どうすれば好条件の老健求人を見つけることができるのか。

それは、より多くの求人を常に見てタイミングを逃さないことです。

現在、転職先を探している理学療法士でハローワークなど特定の求人サイトのみを利用している方は好条件の求人を逃している可能性があります。

本当に、好条件の転職先を探したいのであれば一つでも多くの転職サイトに登録をしておきましょう。

求人数が多く、ハローワークなどにも掲載されていない求人を保有している転職サービスも存在しています。

病院以外の求人を探すのであれば、病院以外の求人も豊富な『PT・OT・STワーカー』への登録は避けられません。加えて、非公開求人が多い『レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)』も利用すると良いでしょう。

 

PT・OT・STワーカー公式サイト >>

レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)公式サイト >>