理学療法士はやめとけと言われる7つの理由|現役OTが現場目線で解説

理学療法士はやめとけと言いたくなる現実

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「理学療法士はやめとけ」という言葉を見て、不安になっていませんか。

私は急性期で働く現役の作業療法士で、理学療法士と一緒にリハビリの現場で働いています。

私自身も1年目のころ、上司からのパワハラのような厳しい指導や、「自己研鑽」という名目の残業が続き、本気で辞めようと思ったことがあります。自分なりに考えた治療やプランを出しても、正解は一つしかないかのように直されることが多く、何のために考えているのかわからなくなった時期もありました。

先に結論をお伝えすると、「やめとけ」と言われる理由の多くは、資格そのものではなく「職場」と「働き方」で変わります。一方で、給料の上がり方や体力の負担のように、どの職場でもある程度ついて回る現実もあります。

この記事では、理学療法士がやめとけと言われる理由を7つに分けて整理し、向いている人・向いていない人、そしてすでに働いていて「やめたい」と感じたときの選択肢まで解説します。

OT
この記事を書いた人:だぶ
現役の作業療法士。急性期病院で働きながら、障害のある方の就労支援にも関わっています。リハビリ職の働き方・給料・転職について、現場の目線で発信しています。

この記事でわかること

  • 理学療法士がやめとけと言われる7つの理由
  • それでも理学療法士を選ぶ人が多い理由
  • やめとけが当てはまりやすい人・向いている人
  • 今の職場がつらいときに取れる選択肢


理学療法士はやめとけと言われる7つの理由

理学療法士はやめとけと言われる理由

1. 給料が上がりにくい

理学療法士の給料は、働き始めは他の仕事と比べて大きく見劣りしないことが多いものの、年数を重ねても上がり幅が小さいと感じる人が多い職種です。

リハビリの収入は、主に診療報酬や介護報酬で決まっています。病院や施設が理学療法士一人あたりで得られる収入には上限があるため、経験年数に応じて給料を大きく上げにくい仕組みになっています。

厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、理学療法士は作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士とまとめて集計されています。その平均は、年齢36.2歳、毎月決まって支給される給与が約31.0万円、年間の賞与が約71.7万円で、ここから計算した年収は約443.6万円です(企業規模10人以上・男女計。e-Stat 第1表)。

大切なのは平均の数字よりも、自分の職場で、10年後にいくらになっているかです。今の給与規程の昇給額や、職場の先輩の給料のイメージから、一度計算してみてください。

2. 昇給・役職のポストが少ない

リハビリ部門は、主任・係長などの役職の数が限られていることがほとんどです。役職がつかないまま年数だけが過ぎ、「昇給が年数千円」という声もよく聞きます。

給料を上げたい場合は、役職を目指すのか、給料の水準が違う領域(訪問リハビリなど)に移るのかを、早めに考えておく必要があります。

3. 勉強が一生続き、費用も自分持ちになりやすい

理学療法士は、資格を取ってからも勉強が続く仕事です。勉強会や研修、学会、書籍の費用を自分で出し、休日に参加している人も少なくありません。

学ぶことが好きな人にとってはやりがいですが、「休みの日まで勉強するのはつらい」と感じる人には負担になります。研修の費用補助や、勉強会が勤務時間内かどうかは、職場によって大きく違います。

4. 体力の負担が大きい

移乗や歩行の介助、立ちっぱなしの訓練など、理学療法士の仕事は体を使う場面が多くあります。腰を痛めて働き方を変えるセラピストも、現場では珍しくありません。

「定年まで今と同じ働き方を続けられるか」は、早めに考えておきたいポイントです。年齢とともに働き方を変える方法は、理学療法士は何歳まで働けるかの記事でまとめています。

5. 職場の人間関係・上下関係が合わないことがある

リハビリ部門は少人数の職場も多く、上司や先輩との相性で働きやすさが大きく変わります。指導が厳しすぎる、相談しにくい雰囲気がある、といった悩みはよく聞かれます。

これは理学療法士という資格の問題ではなく、職場の問題です。同じ理学療法士でも、職場を変えただけで「働きやすくなった」という人は多くいます。

6. 単位ノルマと記録で残業が増えやすい

病院では、1日に取る単位数の目標が決まっていることが多く、患者さんのリハビリで時間が埋まります。カルテの記録や書類は、そのあとに回りがちです。

記録の時間が「自己研鑽」として残業代の対象にならない職場もあります。残業の扱いや対策は、理学療法士の残業事情の記事で詳しく解説しています。

7. 有資格者が増え続けている

理学療法士の国家試験には、毎年1万人を超える人が合格しています。第60回(2025年)の合格者は11,373人でした(厚生労働省)。

有資格者が増えると、地域や領域によっては求人の条件が厳しくなることがあります。一方で、訪問リハビリや介護予防、企業など、理学療法士が働く場所も広がっています。

それでも理学療法士を選ぶ人が多い理由

それでも理学療法士を選ぶ人が多い理由

ここまで厳しい面を書いてきましたが、良い面も確かにあります。

  • 国家資格なので、全国どこでも働きやすい:引っ越しや出産後の復帰でも、仕事を探しやすい職種です
  • 患者さんの回復に直接関われる:歩けるようになった、家に帰れたという場面に立ち会えるのは、この仕事ならではのやりがいです
  • 働き方の幅が広い:病院、訪問、介護施設、スポーツ、企業、教育など、合う場所を選び直せます
  • 副業と組み合わせやすい:専門性を生かした副業もあります(理学療法士の副業の記事)

「やめとけ」が当てはまりやすい人・向いている人

やめとけが当てはまりやすい人

  • 給料を年々大きく上げていきたい人
  • 休日に勉強する時間を取りたくない人
  • 体を使う仕事を長く続けることに不安がある人

向いている人

  • 人の回復や生活に関わることにやりがいを感じる人
  • 学び続けることが苦にならない人
  • 職場や領域を自分で選び直していける人

すでに働いていて「やめたい」と感じたときの選択肢

今の職場がつらいときは、すぐに理学療法士を辞める前に、次の順番で考えてみてください。

  1. 何がつらいのかを書き出す:給料、人間関係、残業、体力のどれなのかで、取るべき行動が変わります
  2. 同じ資格のまま職場を変える:人間関係や残業の悩みは、職場を変えるだけで解決することが多いです(働きやすい職場の見分け方)
  3. 領域を変える:病院から訪問リハビリなど、給料や働き方の水準が違う領域に移る方法もあります(訪問リハビリの働き方)
  4. 資格を生かした別の仕事に移る:一般企業など、リハビリ以外の仕事を選ぶ人もいます(他職種への転職)

どの選択肢を取るにしても、まず「今の条件が相場と比べてどうなのか」を知ることが判断の助けになります。

リハビリ職専門の転職エージェントでは、すぐに転職するつもりがなくても、地域の給料の相場や、求人サイトに出ていない求人について相談できます。たとえば「PT・OT・STワーカー」は医療・介護業界に特化したサービスで、公式情報や利用者の声では、条件交渉や、地域の求人の詳しさが評価されています。一方で、電話の連絡が多いと感じる人もいるようなので、連絡の方法は最初に希望を伝えておくのがおすすめです。

サービスの特徴や評判は、PT・OT・STワーカーの評判の記事で詳しくまとめています。

統計で見る理学療法士の給料:看護師・介護職員との比較

「やめとけ」と言われる理由でいちばん多いのが給料です。厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」で、近い職種と比べてみます(企業規模10人以上・男女計)。

職種 毎月の給与(きまって支給する額) 年間賞与など 年収の目安
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士 約31.0万円 約71.7万円 約443.6万円
看護師 約36.6万円 約85.6万円 約524.7万円
介護職員(医療・福祉施設等) 約27.8万円 約54.8万円 約387.7万円

年収の目安は「毎月の給与×12+年間賞与など」で計算。出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」

同じ医療の現場で働く看護師と比べると、年収の目安で約80万円の差があります。夜勤の有無など働き方の違いもあるため単純には比べられませんが、「同じ病院で働いていて差を感じる」という声が出やすいのは、こうした数字の差があるからです。

一方で、給料は職場や働き方によって大きく変わります。訪問リハビリ、管理職、副業など、収入を上げる道は1つではありません。平均の数字だけで「やめとけ」と決めつけず、自分が働く場所と働き方を選ぶことが大切です。

理学療法士の資格を生かせる働き方

理学療法士の働く場所は、病院だけではありません。合わないと感じたときに、ほかの選択肢を知っておくと気持ちが楽になります。

  • 病院(急性期・回復期・生活期):疾患の知識やリスク管理を深めやすい
  • 介護老人保健施設・デイケア・デイサービス:生活に近い場で、長く関われる
  • 訪問リハビリ:自宅で実際の生活を支える。給与が高めの求人もある
  • スポーツ・整形外科クリニック:運動器の専門性を伸ばしやすい
  • 行政・教育:自治体の介護予防事業や、養成校の教員など
  • 一般企業:福祉用具、医療機器、ヘルスケア関連の企業など

経験年数で変わる「やめたい」の中身

同じ「やめたい」でも、経験年数によって悩みの中身は変わります。

  • 1〜2年目:覚えることの多さ、指導の厳しさ、自信のなさ。周りと比べて落ち込みやすい時期です
  • 3〜5年目:仕事に慣れる一方で、給料が思ったより上がらないことに気づき、将来への不安が出てきやすい時期です
  • 10年目前後:役職や管理の仕事が増える、体力の負担を感じる、家庭との両立に悩む、といった悩みが増えます

今の自分がどの悩みを抱えているのかが分かると、取るべき行動も見えてきます。1〜2年目の悩みは職場の環境で大きく変わり、3年目以降の悩みは働く場所や働き方を変えることで解決しやすくなります。

「やめとけ」の声と、どう向き合うか

ネットや先輩の「やめとけ」は、その人が経験した職場の話であることがほとんどです。大切な情報が含まれている一方で、すべての職場に当てはまるわけではありません。自分で見学に行き、実際に働く人の話を聞いて判断しましょう。

よくある質問

理学療法士の資格を取ったことを後悔しています。どうすればいいですか?

まずは、後悔の理由が「仕事そのもの」なのか「今の職場」なのかを分けて考えてみてください。職場が原因なら、領域や働き方を変えることで解決することも多いです。仕事そのものが合わないと感じる場合も、資格や経験を生かせる仕事は病院の外にもあります。すぐに結論を出さず、選択肢を知ることから始めましょう。

理学療法士の給料を上げる方法はありますか?

給料の高い領域(訪問リハビリなど)への転職、役職を目指す、認定資格を取って手当のある職場を選ぶ、副業で収入を増やす、などの方法があります。まずは今の給料が地域の相場と比べてどうかを知ることが第一歩です。

理学療法士はやめたほうがいいですか?

一概には言えません。給料の伸びや体力の負担といった現実はありますが、職場や領域を選ぶことで解決できる悩みも多くあります。この記事の「向いている人」を参考に、自分に合うかを考えてみてください。

理学療法士の給料は本当に上がらないのですか?

職場によって大きく違います。昇給額は給与規程で確認できます。役職、領域の変更、転職などで給料を上げている人もいます(年収600万円を目指す方法)。

理学療法士の仕事は将来なくなりますか?

リハビリの需要は高齢化とともに続くと考えられていますが、働く場所は病院から地域や在宅へ広がっています。一つの職場や領域にこだわらず、働き方を選べるようにしておくことが大切です。

今働いていて辞めたいと感じている人は、理学療法士を辞めたいと思ったときの考え方も読んでみてください。

給料の将来が気になる人は、理学療法士で年収1000万は可能かを統計で整理した記事も読んでみてください。

まとめ

理学療法士がやめとけと言われる主な理由は、給料の上がりにくさ、ポストの少なさ、勉強の負担、体力、人間関係、残業、有資格者の増加の7つです。

ただし、そのうち多くは職場と働き方で変えられる悩みです。つらいと感じたときは、資格を手放す前に、何がつらいのかを整理し、職場や領域を選び直す方法も考えてみてください。

理学療法士の仕事は、大変さもありますが、患者さんの「できる」を一緒に増やしていける仕事です。「やめとけ」の声に振り回されず、自分に合う働き方を探してみてください。

この記事が、理学療法士として働き続けるか、別の道を選ぶかを考えるときの判断材料になればうれしいです。

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