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日本の国家資格を取得し、業務を行う作業療法士。
日本において作業療法士という職業はなくてはならない仕事なのですが、その知名度は高いとは言えません。
しかし、実はアメリカの作業療法士は日本の作業療法士と比較してみると、大きく異なる評価や年収・仕事内容の職業なのです。
今回は、アメリカの作業療法士と日本の作業療法士の違いを詳しく解説していきます。
ちなみに、日本の作業療法士のイメージは、「将来性がない」「作業療法士はやめとけ」といった評判があるほどに、評価が低い職業なのです。
作業療法士の私からすると、作業療法士には良いところも多くありますし、将来性はあるといって良いと感じます。
詳しくは以下の記事で解説していますので、参考にしてください。
関連記事:>>作業療法士はやめとけと言われる理由を現役OTが考えてみた
しかし、作業療法士の給料が低いことは確かであり、金銭的な不安が残る職業であることは確かです。
その不安を払拭するためには『副業で稼ぐ』もしくは『好条件の職場へ転職』という選択肢しかありません。
どちらか自分に合った方法を選択して、将来に備えましょう。
日本とアメリカの作業療法士の違い。年収や仕事内容は?
日本と比較したアメリカの作業療法士の人気
日本とアメリカでは、作業療法士の人気が全く異なります。
日本の作業療法士の人気度
日本において、作業療法士は毎年6000人ほどのペースで資格取得者が増加しています。
そして、今後は作業療法士も飽和状態になるのではないかとの心配の声が上がっているほどです。
関連記事:>>【飽和状態】作業療法士に将来性はないのか現役OTが分析
しかし、実は作業療法士の養成校の多くが定員割れしているという状況であり、養成校の予測以上に日本の作業療法士は人気がありません。
平成27年度の作業療法士養成校の定員状況では、4年制の大学は定員充足率105.9%と定員を上回っているものの、その他の養成校(短大・専門学校)では、定員を大幅に下回っているのです。
引用:厚生労働省実態調査
日本の作業療法士養成校の定員充足率を見てみると、日本において作業療法士が人気のない職業であるということは一目瞭然ですね。
さらに、山形県内での調査によると作業療法士の知名度は48%。医者や看護師が100%であったことを考えるとあまりにも知名度の低い職業ですね。
アメリカの作業療法士の人気度
アメリカにおいて、作業療法士は日本と比較にならない程、人気の職業です。
アメリカの作業療法士の数は、世界一位です。
そして、世界最大規模のサイトGlassdoorによると、アメリカにおいて作業療法士は、2019年に最高の職業第4位に選ばれているのです。
この状況は日本では考えられることではなく、日本では作業療法士が候補に挙がることすら難しいのではないかと私は感じます。
アメリカと日本の作業療法士年収の違い
なぜ、アメリカと日本ではこんなにも作業療法士人気が違うのか。
一つの要因として挙げられるのは、アメリカと日本の作業療法士年収の違いです。
アメリカと日本では作業療法士の年収が大きく異なります。
まず、日本の作業療法士の年収は408万円であり、全国の平均年収は461万円(国税庁)と比較すると大幅に下回っています。
作業療法士の給与 |
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平均年収 | 408万 |
平均所定内給与額 | 28.1万 |
年間賞与及びその他特別給与額 | 70.2万 |
日本の作業療法士の年収と比較してアメリカはどうでしょう。
アメリカにおける作業療法士の年収中央値は、74000ドル。2022年9月現在の日本円に換算すると約1,054万5,817円という年収になります。
厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査によると、 日本の弁護士の平均年収は945万3,600円ですので、アメリカで作業療法士は日本の弁護士よりも、年収が高いということですね。
アメリカと日本では作業療法士の仕事内容も違う
アメリカと日本の医療費の違いによって作業療法士の仕事内容も異なってきます。
アメリカの急性期病院の作業療法士の役割は、第一に移乗の能力や日常生活活動能力の向上が挙げられます。
というのも、日本は、保険の整備がなされており医療費が高額になることはほとんどありません。しかし、自由診療のアメリカにおいては、医療費で自己破産をしなければならないという方がいるほどに、医療費が高額となることがあるのです。
ですので、早期の退院を目指す人が多く、素早い退院のためにも生活に必要な能力の向上させるための訓練が第一優先となっているのです。
アメリカと日本では資格の取得難易度が違う
日本で作業療法士になるためには、作業療法士の養成校に通い。国家資格を取得すればよいのですが、アメリカで作業療法士をするためには、日本以上に難易度が高い方法をとらなければなりません。
日本で作業療法士になる方法は以下に記載しています。
>> 作業療法士になるには?難易度と資格取得について徹底解説
アメリカで、作業療法士になるには以下の手順を踏む必要があります。
アメリカで作業療法士になる手順
- 大学を卒業
- 作業療法士の養成校に入学・卒業(博士号取得)
- アメリカの作業療法士国家資格を取得
アメリカでは、作業療法士になるために大学を卒業した後に養成校に通わなければなりません。
日本では、最短3年の養成校に通えば作業療法士になれるため、アメリカとはかなり大きな違いがあることが分かりますね。
日本で作業療法士を続けていくには対策が必要
アメリカの作業療法士と、日本の作業療法士を比較すると年収や人気度、資格取得の難易度も大きく異なることが分かりました。
正直、アメリカと比較すると日本における作業療法士の立ち位置は低く、作業療法士を続けていくことには不安を持ちます。
私自身も作業療法士を続けながら、金銭的な将来の不安が大きくあります。
作業療法士としての不安を少しでも取り除くためには、いくつかの対策が必要となります。
作業療法士継続のための対策
- アメリカで作業療法士をする
- 転職する
- 副業をする
アメリカで作業療法士をする
アメリカと日本の作業療法士の価値が大きく異なると説明しました。
年収も1000万円を超えることが可能ですし、アメリカで作業療法士をすることによって将来の金銭的な不安も消すことができるでしょう。
しかし、デメリットとしては何年かの時間を要することとアメリカに定住しなければならないこと、努力が必要なことなどが挙げられます。
独身で、今後アメリカで暮らしていく覚悟があれば良い選択肢かもしれませんが、結婚して家庭を持っているという方が、アメリカに移住して作業療法士をするというのは非常に難しいですよね。
アメリカに移住ができないという方は、他の対策を考えるべきでしょう。
転職する
日本で作業療法士を続けていくにあたって、金銭的な不安をなくすために行うべき最も簡単な対策は、条件の良い職場に転職するということです。
アメリカのように、1000万円を超える職場に転職することは難しいですが、作業療法士でもある程度の年収を目指すことは可能です。
現在の職場での待遇に不満がある場合は、できるだけ早く転職をしましょう。あたり前ですが、年齢を重ねるにつれて、転職は難しくなります。
転職するべき時期は以下の記事にまとめています。
>>【見れば得する】作業療法士の転職時期は何年目の何月がベスト?
しかし、転職するために求人を探していても条件の良い求人が見つからないことがほとんどです。
少しでも、好条件の作業療法士求人を見つけるためには、より多くの求人を見ることが必要です。
そこで、私のお勧めする転職先の探し方は『作業療法士の転職エージェント』を利用するということです。
転職エージェントには、ハローワークには掲載されていない非公開求人というものが存在しており、中にはかなり条件の良い求人もあります。
本気で、将来のための転職をするのであれば、まずは転職エージェントを利用をしてみましょう。
作業療法士におすすめの転職エージェント5選
求人数がもっとも多く、未登録なら最初に登録すべきエージェント
好待遇・好条件の非公開求人が多いので他のエージェントとの併用で登録必須◎
電話・メール・LINEなど多彩な連絡手段で気軽に、紹介してもらえる
大手マイナビのエージェント。信頼性トップレベルで安心の転職ができる
介護施設の求人も豊富で全体的な求人数もトップクラス
作業療法士の転職エージェントは数多くありますが、それぞれ異なる特徴があります。また、掲載されている求人も異なりますので最低でも2つは並行して利用するようにしましょう。
副業をする
作業療法士を継続しつつ、将来の金銭的不安を取り除く方法の一つが『副業』です。
作業療法士という、技術職の特性上、副業を禁止とする病院などもありますが、基本的に公務員でない限り副業を禁止することはできません。(副業が本業に支障をきたしていない場合)
作業療法士という低収入の仕事を行い、老後資金をためるとなると少しでも副業で稼げたら良いですよね。
副業といっても、必ずしも在宅でユーチューブをしたりインスタグラマーになったりする必要はありません。
訪問リハビリのアルバイトなどを行うという選択肢もあります。
作業療法士におすすめの副業を紹介していますので是非、参考にしてください。
>>作業療法士におすすめの副業10選!在宅で可能なダブルワークも紹介
POINT
副業は自分に合っているものを選ばなければ、生活リズムを乱したりストレスに繋がります。
日本とアメリカの作業療法士の違い【まとめ】
日本とアメリカでは、作業療法士の人気や年収などが大きく異なります。
アメリカでは、平均年収を大きく上回る収入を見込める作業療法士ですが、日本では逆に平均年収を下回るほどの低所得の仕事です。
金銭的な問題は、アメリカに行って作業療法士をすれば、解決する話なのですが難易度も高く、実際に行動できる人はごく稀でしょう。
日本で、今後も作業療法士をするのであれば将来のことを考えて転職や副業をすることをおススメします。