作業療法士が公務員として働くには?職場・給料の決まり方・採用試験とデメリット【現役OT】

【PR】この記事にはプロモーション(広告)が含まれています。

「作業療法士として公務員になれる?」「給料や年収はどのくらい?」「どこで働けて、どうやって採用される?」。安定した働き方を考えて、公務員の作業療法士に興味を持つ人は多いと思います。

私は現役の作業療法士です。この記事では、公務員として働く作業療法士の職場、給料の決まり方、メリットとデメリット、採用試験の探し方と準備をまとめます。給料の金額は自治体ごとに違うので、自分で確かめる方法もあわせて紹介します。

OT
この記事を書いた人:だぶ
現役の作業療法士。急性期病院で働きながら、障害のある方の就労支援にも関わっています。リハビリ職の働き方・給料・転職について、現場の目線で発信しています。

この記事の結論

  • 作業療法士という資格そのものが公務員になるわけではない。国や自治体の施設に、公務員として採用されて働く形
  • 職場は、公立の病院、リハビリテーションセンター、療育の施設、市町村の保健・介護予防の部署など
  • 給料は、国や自治体が決めた給料表で決まる。経験年数で上がっていく仕組みで、金額は自治体の人事委員会の資料で確かめられる
  • 採用は欠員があるときの不定期な募集が多い。希望する自治体の採用ページを定期的に確かめる


作業療法士は「公務員」なのか

作業療法士は国家資格ですが、資格を取っただけで公務員になるわけではありません。国や都道府県、市町村が運営する施設に、公務員として採用されたときに、公務員の作業療法士になります。

注意したいのは、「国立」と名前がついていても、職員が公務員ではない場合があることです。たとえば、独立行政法人が運営する病院の職員は、一般に公務員ではありません。求人を見るときは、雇用の形を確かめましょう。

公務員の作業療法士が働く主な職場:公立の病院、リハビリテーションセンター、療育の施設、保健・介護予防の部署

公務員の作業療法士が働く主な職場

職場 主な仕事
都道府県立・市立の病院 入院や外来のリハビリ。民間の病院と仕事の中身は近い
リハビリテーションセンター 障害のある人の訓練、相談、補装具や福祉用具の判定に関わることも
療育センター、児童発達支援の施設 発達に心配のある子どもと家族への支援
市町村の保健・介護予防の部署 介護予防の教室、住民の相談、地域のリハビリの仕組みづくり
国の施設 国が運営する障害者のリハビリテーション施設や、矯正施設(医療を行う刑務所など)での募集がある場合も

どの職場があるかは、自治体によって大きく違います。病院を持たない自治体では、保健や福祉の部署での募集が中心になることもあります。

給料はどう決まる?

公務員の給料は、国や自治体が決めた給料表(俸給表)で決まります。国家公務員では、理学療法士や作業療法士などは「医療職俸給表(二)」が使われます。自治体でも、医療職向けの給料表を使うところが多いですが、名前や金額は自治体ごとに違います。

給料表は、学歴や経験年数によって「級」と「号給」が決まり、毎年の昇給で少しずつ上がっていく仕組みです。民間の病院のように、職場ごとに給料の決め方がばらばら、ということはありません。

金額を確かめる方法

  • 都道府県や市の人事委員会の資料:毎年、職員の給与の状況を公表していて、給料表ごとの平均給与月額が載っていることが多い
  • 自治体の採用案内:初任給の例や、手当の種類が載っている
  • 給料表そのもの:自治体の条例や規則として公開されていることが多い

民間の平均と比べたいときは、国の統計(令和7年賃金構造基本統計調査)で、理学療法士・作業療法士などの年収の目安が約443.6万円とされていることが参考になります(民間を含む全体の数字です)。くわしくは理学療法士の年収の記事で紹介しています。

公務員の作業療法士のメリット

  • 給料の決まり方がはっきりしている:給料表で、何年後にどのくらいになるかの見通しを立てやすい
  • 雇用が安定している:病院の経営の状態で給料が大きく変わることが少ない
  • 休みの制度が整っている:育児休業や介護休暇などの制度が、規則として決められている
  • 地域全体に関われる仕事もある:保健や介護予防の部署では、地域の仕組みづくりに関われる

公務員の作業療法士のデメリット

  • 募集が少なく、不定期:欠員が出たときだけの募集が多く、毎年あるとは限らない
  • 異動がある:病院からの異動や、リハビリ以外の部署に移ることもある
  • 副業が制限される:地方公務員法で、許可なく営利の仕事をすることは制限されている
  • 給料が急に大きく上がることはない:経験年数による昇給が中心で、成果で大きく上がる仕組みではない
  • 年齢の上限がある募集も:受験できる年齢に上限を設けている自治体がある

公務員と民間の病院・施設の違い

公務員 民間の病院・施設
給料の決まり方 給料表で決まる。経験年数で昇給 職場ごとに違う。手当や出来高の仕組みも
採用 採用試験。募集は少なく不定期 求人は多く、時期を選ばない
異動 部署や施設をまたぐ異動がある 法人の規模による
副業 許可なく営利の仕事をすることは制限 就業規則による
仕事の幅 臨床のほか、保健・福祉の行政の仕事も 臨床が中心

保健・介護予防の部署での仕事

病院以外の部署では、作業療法士として一人ひとりのリハビリをするより、地域全体に関わる仕事が中心になることがあります。たとえば、高齢の人向けの介護予防の教室の企画、住民からの相談への対応、福祉用具や住宅の改修についての助言、地域の病院や事業所との調整などです。

臨床を続けたい人にとっては物足りなく感じることもあれば、地域の仕組みづくりにやりがいを感じる人もいます。応募する前に、配属される可能性のある部署と、その仕事の中身を確かめておきましょう。

異動について知っておきたいこと

公務員は、数年ごとに異動があるのが一般的です。作業療法士の場合、病院から福祉の施設へ、施設から本庁の部署へ、といった異動があることもあります。異動のたびに新しい分野を学ぶことになるので、幅広い経験を積める一方、一つの領域を深めたい人には向かない面もあります。採用面接などで、作業療法士の異動の範囲を聞いておくと安心です。

採用試験の探し方と流れ

  1. 働きたい自治体を決める:通える範囲の都道府県・市町村を書き出す
  2. 採用ページを定期的に見る:「職員採用」「医療職」「作業療法士」で探す。募集の時期は自治体ごとに違う
  3. 受験の条件を確かめる:年齢、資格(取得見込みでよいか)、経験の条件
  4. 試験を受ける:教養試験や専門試験、作文、面接など。内容は自治体ごとに違う
  5. 採用:合格後、採用の時期や配属先が決まる

正規の職員のほかに、期間を決めて働く「会計年度任用職員」として作業療法士を募集する自治体もあります。働き方や給料、更新の条件が違うので、募集要項をよく確かめましょう。

試験に向けた準備

試験 準備のしかた
教養試験 公務員試験の問題集で、出題の形に慣れる。自治体が過去の試験の例を公開していることもある
専門試験 国家試験の範囲の復習。自治体によっては行われない
作文・論文 地域のリハビリや、高齢化への取り組みなど、自治体の計画を読んで自分の考えをまとめる
面接 なぜ公務員か、なぜこの自治体か、地域で何をしたいかを話せるようにする

面接では「なぜ民間ではなく公務員なのか」をよく聞かれます。「安定しているから」だけでなく、地域や住民のために何をしたいかを話せるようにしておきましょう。面接全体の準備は作業療法士の面接対策にまとめています。

面接でよく聞かれることと答え方の例

質問 答え方の例
なぜ民間ではなく公務員なのですか 「病院で退院後の生活に関わるなかで、地域全体で支える仕組みが必要だと感じました。公的な立場から、地域のリハビリに関わりたいと考えています」
なぜこの自治体なのですか 自治体の計画(高齢者福祉や障害者福祉の計画など)を読み、関心を持った取り組みを具体的に話す
異動があっても大丈夫ですか 「新しい分野を学ぶ機会と考えています。どの部署でも、作業療法士の視点を生かせると思います」
作業療法士として何ができますか 経験した領域と、生活の動作を一緒に考える視点を、住民の支援にどう生かすかを話す

答え方は例です。自分の経験に置きかえて、うそのない内容にしてください。

年代ごとの考え方

  • 学生・新卒:取得見込みで受けられる自治体を探す。臨床の経験が少ないぶん、なぜ公務員かをしっかり話せるようにする
  • 経験3〜10年:民間での経験が評価されやすい時期。年齢の上限がある自治体もあるので、早めに情報を集める
  • 経験10年以上:経験者の採用枠を設けている自治体もある。専門性や、指導・管理の経験を伝える

受験する前のチェックリスト

  • 受験できる年齢か(上限がある自治体もある)
  • 資格は取得済みか、取得見込みで受けられるか
  • 採用後に配属される可能性のある部署はどこか
  • 試験の日程と、今の職場の休みは調整できるか
  • 正規の職員の募集か、会計年度任用職員の募集か
  • 給料表と初任給の例、民間での経験の反映のされ方

今の職場で働きながら受験する人も多いので、試験日と面接日の休みの取り方も先に考えておきましょう。

公務員が向いている人・民間も考えたい人

公務員が向いている人 民間も考えたい人
長く安定して働きたい すぐに転職したい(募集を待てない)
地域全体のリハビリや予防に関わりたい 一つの領域の臨床を深めたい
異動も経験として受け止められる 職場や仕事の内容を自分で選びたい
副業をする予定がない 副業や開業も考えたい

公務員の募集を待ちながら、民間の求人も並行して見る人もいます。リハビリ職に特化した転職エージェントなら、公立の病院を含めて、条件に合う職場の情報を聞けることがあります。サービスの違いはPTOTSTワーカーとPTOT人材バンクの比較で紹介しています。

よくある質問

理学療法士も同じですか?

働き方や採用の仕組みは同じです。理学療法士向けには理学療法士が公務員に転職する方法の記事があります。

新卒でも受けられますか?

資格の取得見込みで受験できる自治体もあります。募集要項の受験資格を確かめましょう。

民間の経験は給料に反映されますか?

民間での経験を、採用時の給料に一部反映する仕組みを持つ自治体が多いですが、どこまで反映するかは自治体ごとに違います。採用案内や人事の担当に確かめましょう。

定年は何歳ですか?

公務員の定年は、段階的に65歳まで引き上げられています。自分が退職する年の定年は、自治体の案内で確かめてください。

公務員の作業療法士は、年収が高いですか?

給料表で決まるので、民間より高いとも低いとも一概には言えません。手当や賞与(期末・勤勉手当)を含めた年収の目安を、人事委員会の資料や採用案内で確かめて、今の給料と比べてみましょう。

特別支援学校で働く作業療法士も公務員ですか?

自治体が運営する学校で、自治体に採用されて働く場合は公務員です。ただ、外部の専門家として非常勤で関わる形もあり、働き方はさまざまです。くわしくは特別支援学校で働く作業療法士の記事で紹介しています。

公務員になったあと、民間に戻ることはできますか?

できます。公務員の経験も、作業療法士としての経験として評価されます。異動で臨床から離れていた期間がある場合は、その間に何をしていたかを説明できるようにしておきましょう。

まとめ

公務員の作業療法士は、国や自治体の施設に公務員として採用されて働く形です。給料は給料表で決まり、経験年数で上がっていく見通しを立てやすいのが特徴です。一方、募集が少なく不定期で、異動や副業の制限もあります。

働きたい自治体の採用ページと、人事委員会の給与の資料を確かめることから始めてみてください。募集を待つ間は、民間の求人も並行して見ておくと、選択肢を狭めずに済みます。

PRPT・OT・STワーカー

まずは相談だけでも大丈夫です

  • 求人サイトに出ていない非公開求人も紹介
  • 見学・面接の日程調整や条件交渉まで担当者がサポート
  • 「すぐ転職したいわけではない」相談からでも使える

PT・OT・STワーカーの公式サイトを見る

PTOT人材バンクもあわせて見てみる