【子供と関わる】発達領域における理学療法士の仕事内容や役割は?

理学療法士 発達障害

理学療法士は、身体機能の向上を目的としたリハビリテーションを専門とする職業です。

理学療法士の数は、毎年10000人近く増加しており20万人以上の有資格者が存在しています。

理学療法士の印象としては、病院にて高齢者や骨折後等のリハビリテーションを行っている印象が強い方が多いと思います。

しかし、発達領域でも理学療法士が働いていることをご存じでしょうか?

発達領域というのは主に発達障害を呈した子供のリハビリテーションを指します。

子供が好きで、子供と関わる仕事をしたいという理学療法士としては働いてみたい領域ですよね。

今回は、理学療法士が発達領域で働く場合の仕事内容や役割、転職の仕方などを詳しく解説していきます。

ただ、注意してほしいのは発達領域の理学療法士求人は非常に少ないということです。

今後、発達領域で理学療法士として働きたいというのであれば、できる限り多くの求人を見て備えましょう。

同じように発達領域を狙っている理学療法士は数多くいますよ。

理学療法士の転職エージェントや転職サイトをいかにまとめていますので、いくつか登録しておくことをおすすめします。

 

【子供と関わる】発達領域における理学療法士の仕事内容や役割は?

発達障害領域の理学療法士について

まず、理学療法士が発達領域で働く際の条件や就職先をまとめてみました。

理学療法士が発達領域で働く際の就職先

理学療法士が発達領域で働く際の就職先

発達領域で理学療法士として働くには以下の就職先に勤める必要があります。

  • 小児科のある病院
  • 児童福祉施設、特別支援学校、保育所、母子通園施設
  • 発達障害児支援センター

特に、有名な場所や求人が多く出ている発達領域の就職先は、放課後等デイサービスや病院・発達障害支援センターなどです。

特に放課後等デイサービスは、年々施設数が増加傾向にあり2012~2020年の間に約8倍となっています。

求人が出ていることも多くねらい目といえるでしょう。

 

理学療法の発達領域対象者

発達領域で働く際の理学療法対象者は簡単に言うと発達障害児です。

発達障害と聞くと思い浮かぶのは、自閉症や注意欠陥多動性障害などのコミュニケーションや社会的交流の困難さに目が行きがちです。

しかし、発達障害を呈している子供の多くはバランス感覚にや目と手の協調性、手指の拙劣さなど身体機能の問題も生じていることが多いのです。

また、脳性麻痺の子供も理学療法の対象者となります。

 

発達領域で働く理学療法士の給料

発達領域で働く理学療法士の給料

理学療法士全体の平均年収は、418万円。

これは、日本全体の平均年収よりも低い金額となっており、理学療法士の給料は低いといって良いでしょう。

では、発達領域における理学療法士の年収はどれほどなのでしょうか。

実は、発達領域であろうと理学療法士の平均年収とさほど変わりはありません。

多くの求人では、350万円前後の求人が多く、他領域の年収と大きく変わりません。

発達領域の理学療法士求人が気になる方は、求人の豊富な『PT・OT・STワーカー』に登録してみてください。

 

発達領域で働く理学療法士の仕事内容と役割

理学療法士が発達領域で仕事をするといっても、どのような仕事をするのか想像がつかない方も多いでしょう。

発達領域のスケジュール

発達領域で理学療法士が働く場合の一日のスケジュール例を挙げてみます。

発達領域で働く理学療法士の一日のスケジュール

 

8:30 出勤

9:30 個別リハビリ

12:00 食事場面の観察

14:00 集団リハビリ

15:00 自由時間や宿題の監視など

17:30 退勤

このスケジュールは一例ですが、集団リハビリや個別リハビリなどの専門的な介入から宿題の監視など保育士と同様の業務を行ったりもします。

また、放課後等デイサービスなどでは子供が学校終わりなどに利用するため、出勤時間が遅く退勤時間も遅くなる場合も少なくありません。

また、子供の長期休みの際には大きく勤務形態が異なる等、不規則な勤務になることもあるようです。

 

発達領域で働く理学療法士の仕事内容

発達領域における理学療法士の仕事内容は幅広くあり、以下の能力を向上させる訓練を行わなければなりません。

  • コミュニケーション・社会的交流面
  • バランス能力
  • 手指機能の向上
  • 協調運動の発達

上記のほかにも、支援しなければならない項目がありますが、注意点としては遊びを通して訓練をしていくなどの工夫をしなければ、子供は意欲を出してくれないということです。

そのための準備等も多大な時間がかかる仕事といえるでしょう。

 

理学療法士が発達領域で働くメリット

理学療法士が発達領域で働いているというのは、現在そう多くありません。

しかし、発達障害で働くことはいくつかのメリットもあります。

理学療法士が発達領域で働くメリット

  • 他の分野では学べないスキルアップができる
  • 子供と関わることができる
  • 発達領域の理学療法を開拓できる

 

他の分野では学べないスキルアップができる

他の分野では学べないスキルアップができる

発達領域は、通常の身体機能領域とは大きく異なる仕事内容を行う必要があります。

それに伴い、身につけなければならない知識やスキルも大きく異なるのです。

正常発達や発達の過程を知識や経験として知ることによって、他の分野でも活用することができるでしょう。

また、発達領域でのリハビリは子供に遊びを通して訓練を行うことが多いです。

このことからも、発達領域での経験が訓練の幅の増大や工夫力の向上に繋がるのです。

 

子供と関わることができる

現職の理学療法士で、発達領域で働きたいという方は、子供好きが多いのではないでしょうか?

つまり、子供と関わりながら理学療法士をすることができるという点が発達領域で働く大きなメリットとなるのです。

私も、発達領域でのリハビリ経験がありますが、子供に癒されながら仕事をできるというのはとても幸せなことだと感じました。

 

発達領域の理学療法を開拓できる

実は、発達領域での理学療法はエビデンスが乏しい状況にあります。

確かに、そのほかの領域と比較すると理学療法士の数も少なく、研究も進んではいません。

しかし、逆に言えば未開拓なことが多いので、研究などを行い発達領域での理学療法の効果や方法を確立しやすいということです。

発達領域の理学療法を開拓していくというのは、非常にやりがいも大きいのでお勧めです。

 

理学療法士が発達領域で働くデメリット

発達領域で理学療法士が働くことにはデメリットもあります。

もし、今後発達領域で働きたいというのであれば以下のデメリットも理解しておきましょう。

理学療法士が発達領域で働くデメリット

 

  • 他の分野へ転職しづらくなる
  • エビデンスが形成されていない
  • 発想力がいる
  • 就業時間が不規則な場合もある
  • 求人が少ない

 

他の分野へ転職しづらくなる

他の分野へ転職しづらくなる

発達領域での理学療法業務は、一般的な身体障害領域とは大きく異なります。

つまり、発達領域からそのほかの領域へ転職する際には、ブランクが生じたり知識を新たに取り込む必要が出てくるということです。

発達領域で障害仕事をしていくという場合は問題ないのですが、一時的にと考えている人は、発達障害領域以外の勉強も怠らないようにしましょう。

 

エビデンスが形成されていない

先ほど理学療法士が発達障害領域で働くメリットでも言いましたが、発達障害領域での理学療法はエビデンスが完全に形成されているとは言いづらい状況です。

つまり、エビデンスを重要視して効率的なリハビリをしたいと考える理学療法士には向いていないかもしれません。

発想力がいる

発達領域での訓練は、工夫と発想が命です。

簡単な動作の訓練にしても、相手は子供ですので楽しめるアイデアや工夫をしなければならないのです。

遊び心をうまく出せなければ、発達領域での理学療法は難しいといえるでしょう。

就業時間が不規則な場合もある

就業時間が不規則な場合もある

発達領域でのリハビリテーションとなると、対象者は未就学児~小学生や中高生など様々です。

学生であれば平日は学校があります。

つまり、訓練を行うのは学校が終了してからということになるのです。

私の、実習に行った放課後等デイサービスにおいても学校が終了した3時頃に子供が来室し始め、それ以降に個別リハを行っていくのが当たり前でした。

しかし、長期休みにおいては朝から対象となる子供がくるため、勤務時間が定まっていない状況となるのです。

就業先によっては、出勤時間が遅く退勤時間も遅いなどの職場もあるので、転職する前に確認が必要です。

求人が少ない

発達領域の理学療法士求人は現在、かなり少ない状況です。

本気で発達領域の好条件求人を探したいというのであれば、転職エージェントをいくつか利用してみましょう。

理学療法士の転職エージェントの種類は数多くありますが、『PT・OT・STワーカー』は求人数が多いため利用することをおすすめします。

加えて、非公開求人が多い『レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)』も利用すると良いでしょう。

 

PT・OT・STワーカー公式サイト >>

レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)公式サイト >>

 

発達領域に向いている理学療法士

このようなデメリットも多い、発達領域の理学療法士ですが向いている人と向いていない人がいます。

発達領域に向いている理学療法士は以下のような方です。

  • 子供が好き
  • 発想力がある
  • 研究が好き
  • 就業時間にこだわりがない

発達領域での対象者は主に、子供となります。

それも、注意力が欠如してしまっていたり発育が遅延している子供です。

そのような対象者と継続的にかかわるためには、子供が好きでなければ不可能です。

また、子供の意欲を引き出すためには発想力が必要となるでしょう。

このように対象者が子供という特殊な就労環境であることをまずは考慮しましょう。

次に、エビデンスの少ない発達障害での理学療法は、実行と修正を繰り返しながら効率的な方法を見つける作業が必要となります。

つまり、自身で修正しながら理学療法を提供していく自信があるという方にはおすすめできる分野なのです。

 

発達障害の理学療法士【終わりに】

現在のところ、発達障害領域の理学療法士というのは少数派でもあり、知名度も低い状態です。

その中で、発達領域での理学療法士を目指すということは、発達領域に思い入れがある方が多いのではないでしょうか?

ただ、どれだけ発達領域で理学療法士をしたいと思っていても、就職先がなければ働くことはできません。

まずは、周辺に発達領域の理学療法士求人が存在していないかを探してみましょう。

発達領域での理学療法士求人は少ないため、いくつかの転職サイトやエージェントを併用するようにしましょう。

転職サイトによって掲載している求人は異なります。

以下におすすめの転職サイトを掲載していますので参考にしてください。

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