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理学療法士として働いている方が、妊娠した場合に選択を迫られるのが、『産休・育休』を取得するのか一旦『退職』をするのかです。
子供ができてからも、保育所や親などに預けた状態で共働きを続けるというのであれば、『産休・育休』を選択する方がほとんどでしょう。
しかし、周囲の目を気にするあまりに育休を取得しづらいという方や、そもそも取得の仕方が分からないという方もいると思います。
また、最近では男性が育児休暇を取得することが珍しくなくなりました。
理学療法士も同様に、育児休暇を取得することができますし、男女平等と言われている現在では、男性が育児休暇を取ることも有意義なことであるといえるでしょう。
そこで、今回は理学療法士が産休・育休を取得する際の疑問を解決するために、理学療法士の育児休暇を徹底解説していきます。
理学療法士の『育休・産休』の取り方とメリット。男性の育休の取り方も解説。
理学療法士は『産休・育休』か『退職』のどちらを選択するべきか
現役で働く理学療法士に子供ができた際、最初に選択をすることが『産休・育休』を取得して仕事に復帰するのか、仕事を退職して子育てをするのかです。
理学療法士の育休・産休のメリット・デメリット
理学療法士が産休・育児休暇を取るメリット
- 出産後も出産前と同様の環境で働くことができる
- 育児休業給付金が支給される
理学療法士として今後も業務していきたいけど、現在の職場が働きやすく辞めたくないと感じる方も多いかと思います。
そのような理学療法士は、産休・育休を取って現在の職場で働き続けるということが大きなメリットとなるでしょう。
そして、最大のメリットは育児休業給付金が支給されるということでしょう。
育児休業給付金は、現在休業6か月目までは67%支給されます。さらに、住民税の支払い等も無くなりますので、実質これまでの給与の8割は支給されることになるのです。
(参考:育児休業給付金が引き上げられました)
理学療法士が産休育児休暇を取るデメリット
- 患者や役割の引継ぎが面倒
- ブランクが生じる
- 産休・育休申請が必要
- 子供が1歳の誕生日を迎えるまでしか育休は取れない
理学療法士が、産休や育児休暇を取るデメリットは患者さんや役割の引継ぎや挨拶が面倒なこと。そして、産休や育休の申請もしなければならないという、面倒ごとが多いという点です。
そして、理学療法士としては一年間のブランクが生じてしまうという点も一つデメリットとなりますが、退職よりもブランクは生じないので大きなデメリットとは言えません。
そして、最も大きなデメリットが育休を取れる期間が定められているという点です。
育休の期間は子供が1歳の誕生日を迎えるまでと定められています。
(参考:産休、育休はいつから取得できる?)
子供の成長を長期間見守りたいという方には、育休の取得は向いていないかもしれません。
理学療法士の産後退職のメリット・デメリット
理学療法士が産後退職するメリット
- 面倒な手続きや調整がいらない
- 1年以上の期間で子供の成長を見ることができる
- 再就職で職場を変更することもできる
理学療法士が産休・育休を利用せずに退職を選択するメリットは3つです。
まず、産休や育休などの面倒な書類の作成は必要ありません。
最も、大きなメリットは長期間にわたって子供の成長を見守ることができるということです。
育休は1歳になるまでという期間制限がありますが、退職してしまえば期間の制限なく子育てすることができます。
また、理学療法士の資格を持っていると再就職もしやすいので、安心して退職できるというのも大きなポイントですね。
理学療法士が産後退職するデメリット
- 収入がなくなる
- 再就職する必要がある
- 大きなブランクが生じる
理学療法士が産後退職する第一のデメリットは、収入がなくなるということです。
パートナーの収入が高ければ、問題はありませんが理学療法士夫婦など所得がそれほど多くない場合は、生活が困窮する可能性があるため注意が必要です。
さらに、再就職を考えた際に、就職活動を行わなければならないことやブランクが生じてしまうこともデメリットとなります。
理学療法士は産後退職も考えてよい
理学療法士は、産後に退職をしたとしても再就職がしやすい職業です。
そのため、収入が入らないことによって生活が困窮してしまう可能性がなく、子供の成長を長期的に見守りたいという方は産後退職を考えても良いでしょう。
しかし、収入に不安があるという方は産休や育休を利用すべきでしょう。
結論、パートナーの収入や価値観によってどちらを選択しても間違いではないということです。
理学療法士の育休取得方法と貰える給付金
続いて理学療法士が育休を取得する流れと利用できる給付金について説明します。
理学療法士が産休・育休を取得する流れ
妊娠が分かって安定期に入った段階で直属の上司には、産休や育休の件について報告をしておきましょう。
理学療法士ではリオはビリテーション科長などがその対象となるでしょう。
報告する際には、直属の上司を飛び越えて院長などに伝えるなどは控えましょう。信頼を失う可能性もあります。
その後は、出産が近くなるにしたがって、業務の調整や引継ぎをおこなっていきます。
並行して、休暇の手続きなども済ませておくと良いでしょう。主な書類手続きは以下の通りです。
(A)「出産・育児休暇申請書」
(B) 給与明細の送付先変更
(C) その他手続き(該当する方のみ)
①財形貯蓄の休止
②短時間勤務終了申請
③通勤手当の中止申請
理学療法士が産休・育休を取得する際に利用可能な給付金
利用可能な給付金や制度
- 出産育児一時金
- 出産手当金
- 育児休暇給付金
- 社会保険料の免除
- 理学療法士協会育児休業割引
出産育児一時金
妊娠4か月以上の方が出産されたときに、最大で42万円もらうことができます。
加入している健康保険を通じて支給されるため、基本的に誰でも受け取ることができます。
出産手当金
出産手当金は出産一時金とは異なるものであり、出産のために会社に出社できずに給与が発生しないというときに、受け取れる給付金です。
出産手当金で支給される金額は、過去12ヵ月の給料を基準とした日給の2/3に相当する額となります。
育児休暇給付金
育児給付金は、育児休暇を取得して給与が発生しない際にもらえる給付金であり、休業180日目までは67%、181日目からは50%もらうことができます。
社会保険料の免除
産前産後休業期間中や育児休暇中、の社会保険料(健康保険・厚生年金保険)が免除されます。
育児休暇給付金等も考慮して考えると、休業180日までは休業前の8割ほどの手取りは貰えることになります。
理学療法士協会育児休業割引
こちらの制度は理学療法士ならではですね。
育児休暇を取っている方が、理学療法士協会に申請すると翌年度の会員費を割り引いてくれます。
2023年時点では10000円の会費が2000円まで割引されますので、忘れずに申請を行いましょう。
男性の理学療法士が育児休暇を取るコツ
近年では、男性も育児休暇を取ることが増えてきています。
そこで、育児休暇を取得したいと考えている方も少なくないでしょう。
しかし、現在でも男性が育児休暇を取ることに対して、冷たい目を向ける方も少なくないのが現実です。
私の職場でも、男性で育児休暇を取っている方はいませんし、暗黙の了解があるように感じられました。
ただ、勤め先が育児休暇を拒否する権利はありません。
子供の成長は一瞬ですので、ポイントを押さえて育休を取得してみましょう。
男性の理学療法士が育休を取得するコツは以下の通りです。
育休取得のコツ
- 権利を主張せず相談する
- 早めの報告と相談を心がける
- 業務の引継ぎ策を考えておく
権利を主張せず相談する
育児休暇の取得は一定の条件を満たしている場合、雇用主が拒否することはできません。
しかし、あくまで仕事を休ませてもらうということに変わりはなく、少なからず職場に迷惑をかけることになってしまいます。
ですので、育休は権利だと主張する前に、育休取得の旨を上司の相談という形で持ち掛けましょう。
それでも、拒否される場合は拒否権がないことを伝えても良いでしょう。
早めの報告と相談を心がける
多くの職場では、就労規則に2か月前までに育休取得を申請などという決まりがあります。
しかし、ぎりぎりに上司に伝えるのでは業務の引継ぎなど、せわしない状態となってしまいます。
ですので、育休の取得日を決めたのであればすぐに上司に報告しておきましょう。
業務の引継ぎ策を考えておく
育児休暇に入るためには、自身が受け持つ役割を引き継ぐ必要があります。
現在、請け負っている業務内容と引き継ぎたい業務をあらかじめまとめておきましょう。
育児休暇後の理学療法士は不安
理学療法士は、技術職です。
スキルや知識は日々鍛錬している必要がありますし、一年間でもブランクがあれば復帰するのが不安になりますよね。
さらには、育児と理学療法業務を並行して行わなければならないのですから、不安は倍増です。
育児休暇後の理学療法士復帰を成功させるコツ
- 育児休暇中も隙間時間に勉強をする
- 家事は少し手抜きでも良い
- 先輩理学療法士に相談する
育児休暇中も隙間時間に勉強をする
理学療法士が、産休育休を取るということは休んでいない同僚に1年間の差をつけられることとなります。
もちろん、気にしない方はそれでも良いかと思いますが、知識や技術に差をつけられないか不安な方は、育児休暇中も隙間時間を見つけて知識をつけましょう。
例えば、子供を寝かしつけた後の時間に余裕があるのであれば、その時間で勉強をしてみるのも良いかもしれません。
しかし、注意点としては無理をしすぎないことです。
育児中はただでさえ、自分の時間を取ることが難しい状態となります。
まずは、自分の体調管理を最優先にしましょう。
家事は少し手抜きでも良い
育休から復帰した後は、子育て・家事・仕事の3つを両立しなければなりません。
正直、この3つを完ぺきにこなすのは困難ですし、息抜きする暇などなくなってしまいます。
そこで、アドバイスしたいことがあります。
「家事は少しくらい手抜きで良い」ということです。
例えば、夜ご飯は定期的に惣菜や外食を利用しても良いですし、お弁当も凝ったものを何品も作るのではなく丼物や一品料理でも良いでしょう。
産休・育休から復帰を成功させるためのコツは、如何にさぼり方を覚えるかなのです。
先輩理学療法士に相談する
正直、育休産休からの復帰は何をしても不安になると思います。
しかし、皆さんの職場には同様の境遇から仕事に復帰している、先輩理学療法士がいるのではないでしょうか?
もし、現在産休や育休から職場復帰することを不安に感じているのであれば、相談しやすい先輩理学療法士に相談してみましょう。
この記事でも分からない、対策等を教えてくれるかもしれませんし、相談することで心が軽くなりますよ。
理学療法士の産休・育休について【まとめ】
理学療法士が産休や育休を取る際には、様々な悩みや不安が生じます。
産休や育休の取り方や給付金などの基本的な問題。
さらには、理学療法士という技術職ならではの復帰後の不安が生じることもあるでしょう。
しかし、出産や育児を経験している理学療法士であれば、その不安は誰しもが感じたことがあるものです。
そして、乗り越えてきてもいます。
多くの方が、産休や育休を活用していると考えたら、少し気持ちが楽になるのではないでしょうか。