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理学療法士は、身体機能の改善を目的にリハビリテーションを行う国家資格取得者です。
理学療法士は75%以上の方が病院に勤務しており、高齢者などケガや病気によって身体機能が低下した方に対するリハビリを行っています。
しかし、中にはスポーツが好きで理学療法士になったのに簡単な動作の訓練ばかりを行い、退屈さを覚えている人がいるのではないでしょうか?
確かに、アクティブな動作の分析やパフォーマンスの向上を目指すために理学療法士になったという方にとって、理学療法士業務のほとんどはイメージと異なるでしょう。
自身のイメージと異なる仕事を永遠と続けるというのは、精神衛生上よくありませんしモチベーションが上がりませんよね。
そこで、考えることが転職ですよね。
スポーツなどのアクティブな動作の専門になりたいのであれば、スポーツトレーナーなどが思い浮かぶのではないでしょうか。
今回は、理学療法士がトレーナーになる方法やトレーナーになった場合の年収や求人の探し方を解説していきます。
【違いは?】理学療法士がスポーツトレーナーになるための方法と年収
理学療法士とスポーツトレーナーの違い
そもそも、理学療法士とスポーツトレーナ-の大きな違いは、対象者の身体活動が制限されているのか否かです。
理学療法士の仕事は、ケガや病気によって身体機能が低下している方が元の生活に戻れるようにリハビリテーションを行うことです。
それに対してスポーツトレーナーの仕事は、身体機能が元から高い人の能力を、さらに高めるようにアドバイスしたりトレーニングを指導することです。
つまり、理学療法士の主な仕事では日常生活レベルの動作を行う場合がほとんどであり、スポーツの動作を指導することはごく稀だということです。
スポーツトレーナーの種類
スポーツトレーナーといっても、いくつか種類があります。
スポーツトレーナーの主な種類は以下の5つです。
スポーツトレーナーの種類
- アスレチックトレーナー
- メディカルトレーナー
- コンディショニングトレーナー
- ストレングストレーナー
- フィットネストレーナー
アスレチックトレーナー
アスレチックトレーナーは、スポーツをしている限り避けることができないケガに対する管理を行うスポーツトレーナーです。
選手がケガをしてしまった際の応急処置はもちろんのこと、ケガをしないためのトレーニングや教育・健康管理などを担います。
また、それぞれのスポーツに特化したアイシングやテーピングなどの技術も必要になります。
メディカルトレーナー
メディカルトレーナーは、ケガをした人の運動機能を回復させる役割をもつスポーツトレーナーです。
メディカルトレーナーはアスレチックトレーナーとは異なり、整形外科などの医療機関に勤めていることがほとんどです。
メディカルトレーナーという名前の通り、医療の面からサポートすることがほとんどであるため医療系の国家資格を必要とすることがほとんどです。
理学療法士からスポーツトレーナーになる際には、おすすめできるスポーツトレーナーの一つです。
コンディショニングトレーナー
コンディショニングトレーナーは、選手がベストな状態で競技に臨めるようにコンディションを整える役割を担います。
より、選手が力を発揮するために鍛えるべき筋肉はどこなのか。
また、マッサージやストレッチをして緩めるべき筋肉はどこかを判断する知識と技術を必要とします。
ストレングストレーナー
ストレングストレーナーは、選手の身体機能や体力の向上を管理・指導するスポーツトレーナーです。
解剖学的な知識から栄養学まで身体に関する深い知識を必要とします。
主な仕事としては、トレーニング内容の管理やトレーニング方法の指導を行います。
フィットネストレーナー
フィットネストレーナーは、上記4つのスポーツトレーナーとは異なり、一般の方の指導をすることが多いトレーナーです。
例えば、スポーツジムなどで筋トレ器具の使い方を指導したり、ダイエット目的の方に運動の指導をしたりというのがフィットネストレーナーの仕事です。
スポーツ選手への指導とは異なり、専門知識の必要性が低いため、そのほかのスポーツトレーナーの下積みとして行う方も多いようです。
理学療法士とスポーツトレーナーの年収の違い
理学療法士からスポーツトレーナーに転職を考えた際に気になるのは、年収の違いです。
理学療法士の年収
理学療法士として働いている方ならわかるかと思いますが、理学療法士の給料はかなり低いです。
日本全国すべての人の平均年収は461万円であるのに対して、理学療法士の平均年収は418万円。
(参考:令和2年賃金構造基本統計調査)
理学療法士は全国の年収平均を下回っているということが分かります。
理学療法士は昇給にも乏しいことから将来性がない仕事であるといえるでしょう。
スポーツトレーナーの年収
スポーツトレーナーの年収は平均年収は500~600万円となっており、このデータだけ見ると理学療法士よりも高いと感じますよね。
しかし、スポーツトレーナーといっても種類は多く年収も幅広いのが現状です。
プロのチームと契約したり個人と契約しているスポーツトレーナーは、年収1000万円を超えている人も少なくありませんが、そのほかのスポーツトレーナーの多くは年収300万~400万円と理学療法士と同程度、もしくは理学療法士よりも低いことが多いです。
現に、求人ボックスという求人サイトが公開しているスポーツトレーナーの求人年収平均は360万円と理学療法士と同等の結果になっています。(参考:求人ボックス)
理学療法士がスポーツトレーナーになる方法
続いては、理学療法士がスポーツトレーナーになるための具体的な方法を紹介していきます。
理学療法士がスポーツトレーナーになるために必要な資格
理学療法士がスポーツトレーナーになるために必須となる資格はありません。
むしろ、スポーツトレーナーになる際に理学療法士の国家資格は評価されるため、転職が有利になるでしょう。
しかし、理学療法士の国家資格を持っていればそれだけで良いというわけでもありません。
スポーツトレーナーとしてのスキルアップは怠らないようにしましょう。
スポーツトレーナーに役立つ資格は理学療法士のほかにいくつかありますので、よりスキルや知識を向上させたいという方は取得を目指してください。
スポーツトレーナーに生かせる資格
- 理学療法士(国家資格)
- 柔道整復師(国家資格)
- あん摩マッサージ指圧師(国家資格)
- はり師(国家資格)
- きゅう師(国家資格)
- 公認アスレティックトレーナー
- 認定アスレチック・トレーナー
この中でも、『公認アスレティックトレーナー』『認定アスレチック・トレーナー』は民間資格で取得の難易度が低めですので、取得を目指すことをお勧めします。
理学療法士がスポーツトレーナーになる手順
理学療法士がスポーツトレーナーになることはそれほど難しいことではありません。
転職サイトからスポーツトレーナーの求人を探して、転職をすれば良いのです。
整形外科のスポーツト関連の転職に関しては、理学療法士の転職エージェントに求人があることがありますのでチェックしてみてください。
>> 理学療法士(PT)におすすめの転職サイト・エージェントランキング
理学療法士がスポーツトレーナーになるメリット
理学療法士がスポーツトレーナーになることは可能であり、それほど難しいことではありません。
しかし、現在理学療法士として働いている人が、スポーツトレーナーになるメリットはあるのかという点も考える必要があります。
理学療法士がスポーツトレーナーになるメリット
- アクティブな動作を専門とすることができる
- 年収が上がる可能性がある
- 需要が一定数望める
- 理学療法士の専門性を生かせる
アクティブな動作を専門とすることができる
理学療法士がスポーツトレーナーになる際に最も大きなメリットは、アクティブな動作を専門として働くことができるということです。
理学療法士として働いていると、スポーツ選手の動作分析等を行うことは、ほとんどありません。
しかし、スポーツトレーナーになることによってプロのスポーツ選手の動作分析や身体状況のケアをすることができます。
スポーツトレーナーと理学療法士の違いは専門分野であり、よりアクティブな動作に関わりたいという場合には、理学療法士からスポーツトレーナーになる選択をしても良いでしょう。
年収が上がる可能性がある
スポーツトレーナーの年収は平均年収は500~600万円に対して、理学療法士の平均年収は418万円と低い状況にあります。
このデータから考慮すると、理学療法士からスポーツトレーナーに転職することで年収アップに繋がる可能性もあるということです。
しかし、必ずしもスポーツトレーナーになれば理学療法士よりも給料が高いというわけではありません。
スポーツトレーナーも、スポーツジムに勤めていたりしているだけでは理学療法士の年収と同程度かそれ以下となります。
プロ選手と専属契約してスポーツトレーナーとして働くのであれば年収1000万円を超える可能性もありますが、かなりの努力が必要となります。
ですので、理学療法士からスポーツトレーナーになる際のメリットとなる可能性はありますが、反対に年収が下がるというデメリットに繋がる可能性もありますので、注意をしてください。
需要が一定数望める
理学療法士は、2042年の高齢化率のピークを皮切りに需要が低下してくと予測されます。
そのため、理学療法士として働き続けるためには、人工知能に代わることができない技術や知識が必要になります。
また、金銭的なことを考えると副業なども考慮する必要があるでしょう。
理学療法士の需要と供給の問題と比較して、スポーツトレーナーの需要は理学療法士よりも高くなることが考えられます。
理学療法士の専門性を生かせる
理学療法士の技術や知識がスポーツトレーナーの仕事にも生かせるという点は、大きなメリットです。
理学療法士として学んだ解剖学や生理学、治療学というのはスポーツトレーナーとしても重要視されるスキルであり、医療的な観点も持っている理学療法士はスポーツトレーナーに向いているといえるでしょう。
理学療法士の資格を生かしつつ、自分の好きなスポーツトレーナーの仕事ができれば生活の質を大きく向上させることができるでしょう。
理学療法士がスポーツトレーナーになる【まとめ】
理学療法士がスポーツトレーナーになることはそれほど難しいことではありません。
理学療法士の知識や経験などのスキルは、スポーツトレーナーになっても優遇されるものであり、転職活動にもプラスに働くことでしょう。
そのため、本当にスポーツトレーナーになりたいのであれば理学療法士から転職することもお勧めします。
しかし、理学療法士からスポーツトレーナーになる注意点としては、年収が落ちる可能性があるということ。
さらには、スポーツトレーナーとしての知識やスキルを身に着ける必要があるということです。
理学療法士からスポーツトレーナーになる際には、メリットとデメリットを考慮して慎重に考えましょう。