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理学療法士は国家資格を持つ、身体のリハビリテーションにおけるスペシャリストです。
しかし、とある噂があります。
『理学療法士はうつ病になる』という噂です。
なぜ、理学療法士がうつ病になってしまうのでしょうか?
今回は、理学療法士がうつ病になってしまう原因や対策。そして、うつ病をはじめとする精神疾患を発症してしまった場合に悪化させないための対応を解説していきます。
理学療法士は、世の中の役に立つ非常に良い仕事なのですが、理学療法士になってみなければ分からない闇もあります。
人間関係や給料・ライフワークバランスなど様々な観点から、理学療法士と精神疾患の関係性について考えていきましょう。
もし、理学療法士の方で現在うつ病やその他の精神疾患を呈しているのであれば、症状の悪化を防ぐために、最も最適な選択は環境を変えることです。
まずは、主治医に相談しつつ転職をすることをおススメします。
そして、転職に失敗しないためには、事前に職場の人間関係や労働環境などの内部状況を把握することが必要です。
そのような内部情報は、ハローワークや民間の転職サイトで知ることが難しいため、『理学療法士の転職エージェント』を利用しましょう。
理学療法士の転職エージェントについては以下に詳しく解説していますので参考にしてください。
>> 理学療法士(PT)におすすめの転職サイト・エージェントランキング
【理学療法士はうつ病になる?】精神疾患を悪化させないための対策
理学療法士がうつ病になると考えられる5つの理由
私も理学療法士とともにリハビリ室での業務を行う作業療法士なのですが、理学療法士がうつ病になりやすいという噂は間違っていないのではないかと感じます。
私の知る限り、理学療法士のうつ病有病率を示すデータがなかったので、本当に理学療法士がうつ病になりやすいのかはわかりません。
しかし、もし本当に理学療法士がうつ病になりやすいというのであれば以下のような5つの理由が考えられます。
理学療法士がうつ病になると考えられる理由
- やりがい搾取の仕事である場合が多い
- 上司からのパワハラ
- うつ病になりやすい気質の方が多い
- 金銭的不安が大きい
- ライフワークバランスを保ちづらい
やりがい搾取の仕事である場合が多い
理学療法士は、身体的な問題を抱えている方のリハビリをする仕事です。
直接患者さんに触れて、治療をするため医者と同様に感謝されることが多い仕事です。人によっては、感謝されることにやりがいを感じますし、世の中の役に立つ仕事であることは間違いないでしょう。
しかし、問題があるのはやりがいを感じることを強制する悪い風習です。
私も新人の頃から上司に言われ続けたことですが、「患者さんのために努力しなさい」「今勉強しないと患者さんが困るんだ」と言われることが多い世界です。
さらには、「私が、一年目の頃は…。」と自身の努力を語る人も少なくないでしょう。
これは、理学療法士あるあるですね。
しかし、患者さんが良くなることや感謝されるために頑張るんだという考え方を強制されるのは、違和感を感じますよね。
確かに患者さんが困ることがないように、技術や知識をつけることは必要ですが、業務時間外まで強制されることではありません。
このように、やりがいばかり搾取されて見返りがない理学療法士だからこそ、うつ病になりやすいのではないかと感じます。
上司からのパワハラ
理学療法士は、パワハラも多い職業だと感じます。
案の定、理学療法士の実習では実習時間の超過や叱咤が原因となり、自殺する事件も起きています。
最近では、実習形態の変化(クリニカルクラークシップへの移行)に伴い実習時間などが厳格化されているようですが、まだまだパワハラがなくなることはないと感じます。
というのも、現在の上司となる理学療法士は『パワハラの実習』を受けて育ったセラピストです。
到底理解できませんが、自分がパワハラに耐えて理学療法士になったんだということを誇りに思っています。
つまり、パワハラが当たり前と考えている理学療法士がいまだにいるのです。
このように、受け継がれている悪い風習こそ、理学療法士がうつ病になるもっとも大きな原因でしょう。
うつ病になりやすい気質の方が多い
ここまでは、年齢を重ねた理学療法士に噛みつくような内容の原因となりました。
しかし、人間関係以外にも理学療法士がうつ病になりやすい原因があるのです。
それは理学療法士に多い気質的な問題です。
うつ病になりやすい人の特徴の一つにメランコリー親和型(几帳面・真面目・勤勉)という気質があります。
皆さんの考える理学療法士はどのような方が多いですか?
中には、昔やんちゃをしていただろうなと感じる理学療法士もいますが、皆さん患者さんのために努力をすることができる真面目な方が多いのではないでしょうか。
そのように、理学療法士の持つ性格的な側面から、うつ病を発症してしまう方が多くなってしまうことも原因の一つと考えられます。
金銭的不安が大きい
理学療法士として働いている方はわかるかと思いますが、全体的に理学療法士の給料は低すぎます。
労力に給料が見合っていないというのが、理学療法士の現状です。
『労働者の収入とメンタルヘルス』という堤明純らの研究論文ではうつ病と低収入の関係について以下のように述べられています。
日本人労働者において,低収入は労働者のメンタルヘルス不調と関連することが観察された。
低収入の労働者におけるメンタルヘルス不調のリスク増加の一部は職の不安定性によって説明
され,職の安定の確保は,労働者のメンタルヘルスの所得格差を軽減する方策となる可能性が
示された。引用:『労働者の収入とメンタルヘルス』
このことから、金銭的な不安を抱えやすいという特徴が理学療法士にはあり、うつ病にかかりやすいと推測されます。
ライフワークバランスを保ちづらい
理学療法士はライフワークバランスを保つことが難しい仕事です。
というのも、時間外の書類作成や勉強会など不規則な業務時間になりやすいからです。
また、業務時間外にも技術や知識の向上を考えなければならず、公私混同してしまうことが多いのです。
仕事と息抜きのオンとオフをうまく切り替えることが難しい理学療法士はうつ病にかかるリスクが高いといえるでしょう。
理学療法士がうつ病を発症しないための対策5つ
では、理学療法士がうつ病を発症しないためには、どのような対策取れば良いのでしょうか。
うつ病になりやすい気質を持つことが多く、環境的な要因も濃ゆいと考えられる理学療法士だからこそ、うつ病にならないために以下の対策を取る必要があるのです。
理学療法士がうつ病を発症しないための対策5つ
- 信頼できる人へ相談する
- 環境を変える
- 息抜きの時間を作る
- 考え方を変えてみる
- 副業を始める
信頼できる人へ相談する
理学療法士をしていて、パワハラを受けていたり職場に対する不満が多い場合は、信頼できる人に相談するということを第一に行いましょう。
相談することで問題が解決へ向かう可能性もありますし、たとえ問題の解決に至らなかったとしても、相談相手に自身の不満やストレスを話すことで、自分の感情を整理することに繋がります。
特に、信頼できる職場の人や同業者がいるのであれば、悩みに対する理解を示してくれたり、解決に役だつヒントを得ることもできるかもしれません。
環境を変える
他者に相談しても、自身のストレスが解消されずうつ病になってしまいそうと感じた場合は、すぐに環境を変えましょう。
つまり、転職するのです。
理学療法士の良いところは、国家資格を取得しているため、再就職や転職に困ることがほとんどないということです。
ですので、無理に同じ職場で働く必要はないのです。
中には、「すぐに転職してしまうと、次の就職先が見つからないかもしれない』と考える人もいるかと思いますが、一度や二度の転職は適切な理由があればアドバンテージにはなりません。
私の知り合いには、一年未満で最初の職場を辞めてしまったにも関わらず、大学病院への転職を成功させた方もいます。
うつ病になって、本当に働くことが難しくなる前に、迷わず転職という手段をとることをおススメします。
しかし、転職先でも上手くいかなかったらどうしようと不安が募るのは当然の話です。
二度目の失敗は許されないと、感じて悩みに悩むことでしょう。
そのような理学療法士におすすめするのが、理学療法士の転職エージェントを用いた転職活動です。
理学療法士の転職エージェントは、民間の求人サイトなどとは異なり、キャリアアドバイザーという担当者がついてくれます。
そのキャリアアドバイザーがあなたに合った転職先を紹介してくれるのです。
さらに、転職エージェントを利用するメリットは他にもあります。
もっとも大きなメリットは、職場の雰囲気や人間関係などを事前調査してくれるということです。
理学療法士がうつ病にかかってしまわないためには、これ以上ないサービスだといえるでしょう。
しかし、注意点を上げるとすれば自分に合った転職エージェントを利用しなければ、何の意味もありません。
以下に理学療法士の転職エージェントを、特徴別にまとめていますので、可能性を極限まで上げたいという方は参考にしてください。
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求人数トップレベル!理学療法士が最初に登録すべき転職エージェントです。
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息抜きの時間を作る
息抜きの時間を作るというのも、理学療法士がうつ病にならないための手段です。
一日することがないと、負の感情や考えを起こしてしまうことが多いです。
少しでも、理学療法から離れるためにも趣味の時間や友人と食事をする時間などを確保するようにしましょう。
仕事が終わった後の一杯のコーヒーとデザートなど些細な楽しみだけで気持ちはリセットしやすくなるものです。
考え方を変えてみる
理学療法士は、真面目な人が多く患者さんのために常に考えて動いていることが多いですよね。
しかし、業務時間外まで患者さんのことを考える必要はないのではないかと私は考えます。
実際問題、知識の豊富な方と経験年数の短い人で比較してみると、患者さんの治療スピードに大きな違いはありません。
もちろん、細かなアドバイスや技術に違いが出ますが、多くの患者さんは治療に満足して退院していくのではないでしょうか。
患者さんは、自分の身体的不利益が少しでも良くなれば満足なのです。
現在、患者さんに不利益を与えていないのであれば理学療法士として、しっかりと働くことができています。
応用の技術や知識は年数を追うごとに、少しずつ身に着ければ良いのです。
すぐに、多くの知識を身に着けることは困難ですので、何事も少しずつという意識を持つことが、理学療法士がうつ病になることを防ぐ対策になります。
副業を始める
これは、私も実践したことですが、副業は本業の負担を減らすために有効な手段だと感じます。
理学療法士は、収入が低く、副業をすることは金銭的な不安を払拭する効果もあります。
さらに、理学療法士が副業をするメリットはそれだけではなく、理学療法士から離れる時間を作ることができるのです。
しかし、副業が負担になっては何の意味もありません。
まずは、自分が楽しんで継続できる副業を探してみましょう。
私も、副業をすることが楽しく、趣味になっています。リハビリ職を辞めてしまいたいと考えていた日々から少しだけ抜け出せた気がします。
理学療法士におすすめの副業をいかにまとめていますので、自分にできそうな副業を探してみてください。
理学療法士が精神疾患を悪化させない工夫
もし、理学療法士がうつ病などの精神疾患になってしまった場合は、少しでも症状の安定や悪化を防ぐ工夫が必要となります。
自己判断をせずに、困ったことがあれば主治医の指示を仰ぎましょう。
そして、生活習慣を整えることも重要となります。睡眠時間をしっかり確保し、日中は日光を浴びる。バランスの取れた食事をしてアルコールを控えるなどの対策を行いましょう。
また、理学療法士の仕事を継続してよいのかは医師の指示を仰ぎましょう。
何より、無理は禁物です。
うつ病にならない理学療法士を目指すには
ここまで、理学療法士とうつ病の関係性について解説していきました。
正直、理学療法士という職業はうつ病になってしまう要素が盛りだくさんです。
現在、少しでもストレスを抱えていると感じる方は、環境を変化させることや周囲に相談をすることを心がけてください。
理学療法士だから、私生活までこのように過ごさなければならないという決まりはありませんし、それを強制させることは誰にもできません。
本当に心がやんでしまいそうなときは理学療法士から離れてみることも一つの手なのかもしれませんね。