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「作業療法士で転職が多いと、次の面接で不利になる?」「何回までなら大丈夫?」。転職を考えたとき、これまでの転職回数が気になる人は多いと思います。
私は急性期で働きながら、障害のある方の就労支援にも関わっている現役の作業療法士です。この記事では、作業療法士の転職回数が多いと見られるときの採用側の考え方、転職回数が増えることの本当のデメリット、面接での伝え方、これ以上回数を増やさないための職場選びを整理します。
この記事の結論
- 「何回から多い」という決まった基準はない。見られるのは回数よりも、それぞれの在籍期間と理由に筋が通っているか
- 統計上、リハビリ職の平均勤続年数は8.4年。短い期間での転職が続くと、理由を詳しく聞かれやすい
- 転職のたびに、有給休暇の日数や退職金などがリセットされやすい点は見落としがち
- 次で最後にするために、転職の目的を決め、職場の実態を確かめてから動く
この記事の目次
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作業療法士の転職回数は何回から「多い」?
転職回数が何回から多いか、という公式な基準はありません。ただ、参考になる数字として、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均は年齢36.2歳・勤続年数8.4年でした。
平均で見ると、一つの職場に長く勤める人が多い職種です。そのため、1〜2年での転職が何度も続いている場合は、面接で理由を詳しく聞かれやすくなります。一方で、経験年数に対して転職回数が少なく、それぞれに理由がある場合は、回数そのものが大きな問題になることはあまりありません。
採用側が転職回数を気にする理由
- すぐに辞めてしまわないか:採用や教育には時間と費用がかかるため、長く働いてくれるかを気にします
- 人間関係でつまずかないか:理由が「人間関係」ばかりだと、職場になじめるかを心配されます
- 経験に一貫性があるか:領域や役割がばらばらだと、何が強みなのかが伝わりにくくなります
裏を返せば、「次は長く働く理由」「これまでの経験がどうつながっているか」を説明できれば、回数の不安はかなり小さくできます。
転職回数が増えることのデメリット
1. 有給休暇の日数がリセットされる
年次有給休暇は、労働基準法第39条により、入職から6か月続けて働き、出勤日の8割以上出勤すると10日付与され、勤続年数に応じて増えて6年6か月以上で年20日になります。転職すると、新しい職場で6か月後の10日からやり直しになります。

2. 退職金や昇給で不利になりやすい
退職金は勤続年数で決まる職場が多く、短い期間で辞めると受け取れない、または少額になることがあります。昇給や役職も、勤続年数を基準にしている職場では積み上がりにくくなります。
3. 経験が深まりにくい
同じ領域で長く関わることで身につく評価や治療の力、役割(指導・管理)の経験は、職場が頻繁に変わると積み上げにくくなります。
4. 書類選考で理由を詳しく見られる
応募書類の段階で転職回数が目に入るため、職務経歴書でそれぞれの理由と経験を丁寧に書く必要があります。
転職を重ねることで得られるもの
- 複数の領域の経験:急性期・回復期・在宅など、対象者の流れを知っていることは強みになります
- 職場を比べる目:働きやすい職場の条件を、実体験から判断できるようになります
- 適応力:新しい環境に慣れる経験を積んでいることは、説明しだいでプラスに伝わります
面接での転職理由の伝え方
- 事実を簡潔に:前の職場の不満を長く話さず、「何を求めて転職したか」を短く伝えます
- 経験のつながりを示す:「急性期で〇〇を学び、生活に近い場で生かしたくて回復期へ」のように、経験が積み上がっていることを伝えます
- 次は長く働く理由を話す:その職場の方針や領域が、自分の目指す方向とどう合っているかを具体的に伝えます
面接全般の準備は作業療法士の面接対策の記事でまとめています。
これ以上転職回数を増やさないためのコツ
- 転職の目的を一つ決める:給料、領域、時間、人間関係のうち、何を一番変えたいのかを決めます
- 職場の実態を確かめる:見学で、1日の単位数、記録の時間、勉強会の扱い、職員の定着を確認します(職場を見分ける8つのチェック)
- 時期を選ぶ:賞与の支給月や有給休暇の消化を考えて退職時期を決めると、損を減らせます(作業療法士の転職時期の記事)
- 第三者に相談する:求人票に書かれない職場の内情は、リハビリ職専門の転職エージェントの担当者が確認してくれることがあります
転職回数が多いことを正直に伝え、「次は長く働ける職場を探したい」と相談すれば、それに合った求人を絞り込んでもらえます。サービスの違いはPTOTSTワーカーとPTOT人材バンクの比較でまとめています。
PR求人票ではわからない職場の中身は、リハビリ職専門の転職エージェントの担当者に確かめてもらう方法もあります。PT・OT・STワーカーなら、「すぐ転職したいわけではない」という相談からでも使えます。
転職回数が多い人の職務経歴書の書き方
転職回数が多い人ほど、職務経歴書の書き方で印象が大きく変わります。ポイントは、職場ごとに「何をしてきたか」と「なぜ次に移ったか」を短くそろえて書くことです。
- 職場ごとに同じ形でまとめる:在籍期間、施設の種類(急性期病院・回復期・訪問など)、担当した主な疾患、1日の単位数の目安、担当した役割(実習指導・委員会など)
- 転職の理由は1行で:「生活期の関わりを学ぶため」「訪問リハの経験を積むため」のように、次の職場で得たかったことを書く
- 経験のつながりを最初にまとめる:職歴の前に「急性期から在宅まで、患者さんの流れに沿って経験してきました」のような要約を2〜3行入れる
書き方の例です。
〇〇病院(急性期・2年)脳血管疾患・整形外科疾患を中心に担当。1日18単位程度。新人指導を1年担当。
退職理由:退院後の生活まで関わりたいと考え、回復期へ。
短い在籍期間の職場も省かずに書きましょう。理由を簡潔に添えておけば、面接で聞かれたときにも落ち着いて答えられます。
面接での回答例
「転職回数が多いようですが」と聞かれたときの答え方を、2つのパターンで紹介します。
経験を広げるために移ってきた場合
「急性期、回復期、訪問と、患者さんの流れに沿って経験を積んできました。それぞれの場で学んだことを生かして、これからは在宅生活を長く支える仕事に腰を据えて取り組みたいと考え、地域に根ざした御院を志望しました。」
職場環境が理由で短期間で辞めた場合
「前の職場は、記録の時間が勤務時間内に取れない働き方で、患者さんへの準備が十分にできないと感じて退職しました。その経験から、働き方の仕組みまで確認して職場を選ぶようにしています。御院は見学で記録の時間が確保されていると伺い、長く働けると考えました。」
どちらも、前の職場を責めない・次の職場で長く働く理由を具体的に言う点が共通しています。見学で確かめた事実を一言入れると、説得力がぐっと増します。
短期間の転職を繰り返さないための振り返り
転職回数が増えてしまう人の多くは、「合わない」と感じた理由を言葉にしないまま、次の職場を選んでいます。次の転職の前に、これまでの職場を次の表のように振り返ってみてください。
| 振り返る項目 | 書き出す内容の例 |
|---|---|
| 合わなかったこと | 単位数が多すぎた、質問しにくかった、勉強会が多すぎた |
| 合っていたこと | 患者さんとじっくり関われた、チームで相談できた |
| 入る前に確かめられたこと | 見学で単位数を聞けば分かった、辞めた人の数を聞けば分かった |
| 次にゆずれない条件 | 記録が勤務時間内、相談できる先輩がいる |
「入る前に確かめられたこと」を書き出すと、次の職場選びで何を聞けばよいかが見えてきます。見学で確かめる点は楽な職場を見分ける8つのチェックでもまとめています。
転職回数が気になる人ほどエージェントを使うとよい理由
転職回数が多いと、書類選考の段階で落とされてしまうことがあります。転職エージェントを通して応募すると、担当者が経歴の背景や本人の考えを先に伝えてくれるため、書類だけで判断されにくくなります。また、職場の離職状況や働き方など、求人票に書かれていない情報を担当者に確かめてもらうこともできます。
次で最後の転職にしたい人ほど、入る前の情報収集に力を入れましょう。
年代ごとの転職回数の見られ方
転職回数の受け止め方は、年代や経験年数によって変わります。
- 20代:経験年数が短いので、1回の転職でも「なぜ辞めたのか」は必ず聞かれます。一方で、これから伸びる時期として、領域を変える転職も受け入れられやすい年代です。短期間で辞めた理由と、次で何を身につけたいかをはっきりさせておきましょう
- 30代:経験の中身が重視されます。どの領域でどんな役割を担ってきたか(新人指導、実習指導、委員会など)を具体的に話せれば、回数が多くても強みとして伝えやすくなります
- 40代以降:専門性や、管理・教育の経験が見られます。転職回数よりも、職場で何を任せられるかを中心に話すと評価されやすくなります
転職回数より重視されやすいこと
採用する側が本当に知りたいのは、「この人と一緒に長く働けるか」「職場で力を発揮してくれるか」です。転職回数が多くても、次のような点を伝えられれば、評価は大きく変わります。
- 職場が変わっても、患者さん・利用者さんへの関わり方の軸が一貫している
- 前の職場で学んだことを、次の職場で生かした具体的な例がある
- チームで働くために、報告・相談や引き継ぎを大切にしてきた
- 次の職場の方針や領域について、見学などで調べたうえで応募している
回数そのものは変えられませんが、伝え方と次の職場の選び方は、今から変えることができます。
次の職場を「最後の転職」にするために
転職回数を気にしている人ほど、次こそ長く働きたいと考えているはずです。そのために大切なのは、条件の良さだけで選ばないことです。給料や休日が良くても、相談しにくい雰囲気や、単位数のプレッシャーが強い職場では、また同じ悩みにぶつかってしまいます。
見学では、働いている人の表情や、先輩と若手の会話の様子にも目を向けてみてください。求人票の条件と、実際の働き方の両方が自分に合っているかを確かめてから決めることが、転職回数をこれ以上増やさない一番の近道です。
よくある質問
転職回数が多いと、エージェントに断られることはありますか?
転職回数だけを理由に断られることは多くありませんが、紹介できる求人が限られると言われることはあります。その場合も、これまでの経験を整理して伝えると、紹介の幅が広がることがあります。1社だけで判断せず、複数のサービスで相談してみるのも一つの方法です。
正社員からパートや非常勤に変わった職歴はどう書けばいいですか?
雇用形態も含めて、そのまま書きましょう。育児や介護、体調などの理由で働き方を変えた場合は、その理由と、今は常勤で働ける状況であることを簡潔に添えると、採用する側も安心できます。
同じ法人の中での異動は転職回数に入りますか?
同じ法人の中での異動や配置換えは、転職には数えません。職務経歴書では、法人名の下に部署や施設ごとの経験を書けば、経験の幅としてプラスに伝えられます。
作業療法士で転職3回は多いですか?
経験年数しだいです。10年以上の経験で3回なら、それぞれの在籍期間は長めなので大きな問題にはなりにくいです。数年で3回の場合は、理由とこれからの方向性を丁寧に説明できるようにしておきましょう。
1年未満で辞めた職場も職務経歴書に書くべきですか?
書くべきです。雇用保険の加入歴などからわかることもあり、書かずにいると後で信頼を失うおそれがあります。短く辞めた理由を簡潔に添えましょう。
理学療法士でも同じですか?
同じです。理学療法士の場合は理学療法士の転職回数の記事も参考にしてください。
まとめ
作業療法士の転職回数に決まった上限はありません。見られるのは、在籍期間と理由に筋が通っているか、次は長く働けるかです。
転職のたびに有給休暇や退職金がリセットされやすいことも踏まえ、次で最後にするつもりで、目的を決め、職場の実態を確かめてから動きましょう。
転職回数が多いことを恥ずかしく思う必要はありません。それぞれの職場で何を学び、次に何をしたいのかを自分の言葉で話せれば、回数はむしろ経験の幅として伝わります。準備を整えて、納得できる職場を選んでください。
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