理学療法士の転職回数は何回から多い?領域の移り方と面接での答え方【現役OT】

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「理学療法士で3回目の転職。次の面接で不利になる?」「整形クリニック、回復期、訪問と移ってきたけれど、一貫性がないと思われない?」。転職回数が増えてくると、こうした不安が出てきます。

この記事では、理学療法士の転職回数がどう見られるかを、働く領域ごとに整理します。職務経歴書の書き方、面接の答え方、これ以上回数を増やさないための確かめ方まで、そのまま使える形でまとめました。作業療法士の人は作業療法士の転職回数の記事もあわせて読んでみてください。

OT
この記事を書いた人:だぶ
現役の作業療法士。急性期病院で働きながら、障害のある方の就労支援にも関わっています。リハビリ職の働き方・給料・転職について、現場の目線で発信しています。

この記事の結論

  • 「何回から多い」という決まった基準はない。見られるのは回数より、在籍期間と移った理由のつながり
  • 理学療法士は領域を変えやすい分、領域の移り方を説明できるかが大切
  • 回数が増えると、有給休暇の日数がふり出しに戻るなど、見えにくい損もある
  • 次で腰を据えるために、入る前に確かめることを決めてから動く


理学療法士の転職回数は何回から多い?

何回から多いという公式の基準はありません。参考になる数字として、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」では、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士の平均は、年齢36.2歳、勤続年数8.4年でした。職種をまとめた数字で、転職回数そのものの統計ではありません。

回数だけを取り出すより、経験年数と並べて考えるほうが実態に近くなります。次の表は、見られ方の目安を私の見方で整理したものです。職場によって考え方は違います。

経歴の例 聞かれやすいこと 準備すること
経験10年で2〜3回 それぞれの職場で何を担当したか 役割と身につけたことを整理する
経験5年で2回 なぜ移ったか、次は何をしたいか 領域を変えた理由を1文にする
1年未満の退職がある 短く辞めた理由 事実と、次に確かめたことを話す
1〜2年の転職が続く 今回は長く働けるか 続かなかった共通の原因を言葉にする

領域の移り方で、見られ方はどう変わるか

理学療法士は、急性期、回復期、整形外科クリニック、老健、訪問、スポーツの現場など、働く場所が幅広い職種です。同じ3回の転職でも、移り方で伝わり方が変わります。

転職の移り方と伝え方の例:流れがつながる転職、分野を広げる転職、働き方を変える転職、理由が見えにくい転職

流れがつながっている転職

急性期から回復期、回復期から訪問のように、患者さんの流れに沿った転職は説明しやすい形です。「退院後の生活まで見たくなった」という理由が、経歴から自然に伝わります。

分野を広げた転職

病院から整形外科クリニック、クリニックからスポーツ分野のように、関心のある分野へ移った場合は、その分野で何を身につけたかを具体的に話します。徒手療法や運動指導など、担当した内容まで言えると強みになります。

働き方を変えた転職

結婚や子育て、体調などで、常勤から非常勤、病院から訪問へ移るのは珍しいことではありません。理由を隠さず、今どのくらい働けるかを添えれば、採用する側も判断しやすくなります。

理由が見えにくい転職

領域に関係なく短い期間で移っている場合は、一貫性がないと受け取られやすくなります。この場合は無理に一本の流れを作らず、「合わなかった原因」と「今回そこをどう確かめたか」を話すほうが、信頼につながります。

採用する側が気にしていること

  • すぐ辞めないか:新しい人が担当を持つまでには教育の時間がかかります
  • 任せられるか:転職回数より、1人で何を担当できるかを知りたいと考えます
  • チームでやっていけるか:理由が人間関係ばかりだと、なじめるかを心配されます

つまり、「次は長く働く理由」と「ここで何ができるか」を話せれば、回数の不安はかなり小さくなります。

転職回数が増えることの、見えにくい損

有給休暇の日数がふり出しに戻る

年次有給休暇は、労働基準法第39条により、6か月続けて働き、出勤日の8割以上出勤すると10日与えられ、勤続年数に応じて増えて、6年6か月以上で年20日になります。転職すると、また10日からのやり直しです。

退職金や昇給が積み上がりにくい

退職金は勤続年数で決まる職場が多く、短い期間で辞めると受け取れない、または少額になることがあります。就業規則の退職金の項目は、辞める前に確かめておきましょう。

担当や役割の経験が深まりにくい

実習指導、新人指導、委員会、チームのまとめ役などは、ある程度の期間を働いてから任されることが多い役割です。短い転職が続くと、こうした経験を語りにくくなります。

転職を重ねて得られるもの

  • 対象者の流れを知っている:急性期の状態や、退院後の暮らしを想像しながら関われる
  • 職場を見る目が育つ:働きやすい職場の条件を、自分の経験から判断できる
  • 新しい環境に慣れる力:立ち上げや人手の足りない部署で生かせることがある

どれも、言葉にしないと相手には伝わりません。次の書き方と答え方で、経験として見える形にしましょう。

職務経歴書は、職場ごとに同じ形で書く

回数が多いほど、読みやすさが大切です。職場ごとに次の5つをそろえると、経歴の流れが伝わります。

  1. 在籍期間と施設の種類
  2. 主に担当した疾患や対象者
  3. 1日の担当の目安(単位数や訪問件数)
  4. 役割(実習指導、委員会など)
  5. 次の職場へ移った理由(1行)

書き方の例(内容は仮のものです)

〇〇整形外科クリニック(常勤・3年)
運動器疾患の外来リハビリを担当。1日18単位程度。新人の指導を1年担当。
移った理由:退院直後から生活に戻るまでを見たいと考え、回復期へ。

短い期間の職場も省かずに書きます。雇用保険の記録などからわかることがあり、あとから分かると信頼を失うおそれがあります。

面接で「転職が多いですね」と言われたら

答えは、つながり→今回の理由→長く働ける根拠の順で組み立てます。実際に話すときは、自分の経験に置きかえてください。

領域を広げてきた場合

「急性期で全身状態を見る力を、回復期で生活につなげる力を学びました。その経験を、在宅で長く関わる仕事に生かしたいと考えています。見学で、担当の方と長く関われる体制だと伺い、ここで腰を据えて働きたいと思いました。」

職場の環境が理由で短く辞めた場合

「前の職場は記録の時間が勤務時間内に取りにくく、準備が十分にできないと感じて退職しました。その経験から、働き方の仕組みまで確かめて選ぶようにしています。こちらでは記録の時間が確保されていると伺いました。」

体調や家庭の事情で移った場合

「子育てのため、一時的に非常勤で働いていました。今は家族の協力が得られ、常勤で働ける状況です。」

前の職場を責めないこと、実際に確かめた事実を入れることが共通のコツです。面接全般の準備は理学療法士の面接の記事でも紹介しています。

転職理由は、次に求めることへ言いかえる

同じ事実でも、不満のまま話すのと、次に求めることとして話すのとでは、受け取られ方が変わります。うそをつくのではなく、話す順番を変えるだけです。

本音 面接での言い方の例
単位のノルマがきつかった 「一人ひとりの評価と記録に時間をかけられる環境で働きたいと考えました」
給料が上がらなかった 「役割に応じて評価される仕組みの中で、長く力を伸ばしたいと考えました」
先輩との関係がつらかった 「症例を相談し合える体制のある職場で、力をつけたいと考えました」
休みが取りにくかった 「家庭と両立しながら、長く続けられる働き方を選びたいと考えました」

言いかえたことは、面接で深く聞かれても答えられる内容にしておきましょう。「具体的には、どんな環境ですか」と聞かれたときに、見学で確かめた点を話せると、説得力が増します。

経験年数ごとの考え方

1〜3年目

基本の評価や治療を身につけている時期なので、短く辞めた理由は必ず聞かれます。一方で、指導の体制が合わないまま続けるのがよいとも限りません。次の職場では、誰が教えてくれるのか、一人立ちまでどのくらいかかるのかを確かめましょう。

4〜9年目

どの領域で何を担当してきたかが見られます。実習指導や新人指導、委員会など、担当した役割を具体的に話せるようにしておくと、回数よりも中身で判断してもらいやすくなります。

10年目以降

専門性に加えて、チームをまとめた経験や後輩の育成が見られやすくなります。給料や役職の話も避けずに、これまでの経験をどこまで給与に反映してもらえるかを確かめましょう。

辞める前に、今の職場で試せること

回数を増やしたくないなら、辞める前に一度、変えられることがないかを確かめてみるのも一つの方法です。

  • 部署や担当の変更を相談する:同じ法人の中で領域を変えられることがあります
  • 働き方の変更を相談する:時短勤務や訪問の件数など、調整できる場合があります
  • つらい原因を書き出す:時間、人、技術のどれが原因かで、次の一手が変わります

相談して変わらなかったという事実は、面接で理由を話すときの材料にもなります。「相談したうえで移った」と話せると、すぐに投げ出したのではないことが伝わります。

これ以上回数を増やさないために、入る前に確かめること

次の職場で長く働くには、条件のよさだけで選ばないことです。見学や面接で、次の点を聞いてみてください。

確かめること 聞き方の例
担当の量 「1日の単位数や訪問件数は、どのくらいが目安ですか」
記録の時間 「記録は勤務時間内に終わることが多いですか」
勉強会の扱い 「勉強会は勤務時間の扱いですか。参加は任意ですか」
相談のしやすさ 「困った症例は、誰にどのように相談していますか」
人の入れ替わり 「この1年で、何人くらい入れ替わりましたか」

あわせて、これまでの職場の「合わなかったこと」と「入る前に確かめられたこと」を書き出してみてください。次に何を聞くべきかが見えてきます。見学のポイントは働きやすい職場の見分け方でもまとめています。

回数が気になる人ほど、第三者に確かめてもらう

自分からは聞きにくいことや、求人票に載らない職場の事情は、リハビリ職専門の転職エージェントの担当者に確かめてもらう方法もあります。回数が多いことを最初に伝え、「次は長く働ける職場を探したい」と相談すると、話が早く進みます。

最初に「すぐ転職したいわけではない」と伝えて、今の条件が相場と比べてどうかを聞くだけの使い方もできます。サービスの違いはPTOTSTワーカーとPTOT人材バンクの比較でまとめています。

よくある質問

理学療法士で転職3回は多いですか?

経験年数しだいです。10年以上の経験で3回なら、在籍期間は長めなので大きな問題にはなりにくいでしょう。数年で3回の場合は、理由とこれからの方向を丁寧に説明できるようにしておきます。

1年未満で辞めた職場は書かなくてもいいですか?

書きましょう。短く辞めた理由を1行添えておけば、面接でも落ち着いて答えられます。

同じ法人の中での異動は回数に入りますか?

転職には数えません。法人名の下に、部署や施設ごとの経験を書けば、経験の幅として伝えられます。

非常勤やパートの期間はどう書けばいいですか?

雇用形態を含めてそのまま書きます。働き方を変えた理由と、今どのくらい働けるかを添えると、相手が判断しやすくなります。

領域を変えると、年数はふり出しに戻りますか?

職場の給与の決まりによって違います。これまでの経験年数をどこまで給与に反映するかは、面接で確かめておきましょう。

転職回数が多いと、給料で不利になりますか?

回数そのものより、職場の給与の決まりで変わります。経験年数をどこまで反映するか、基本給と手当の内訳はどうなっているかを、内定の前に確かめましょう。同じ経験でも、職場によって提示される条件は違います。

転職回数が多いと、エージェントに断られますか?

回数だけで断られることは多くありませんが、紹介できる求人が限られると言われることはあります。1社だけで判断せず、これまでの経験を整理したうえで、複数のサービスに相談してみましょう。

応募書類で悩んでいる人は、理学療法士の志望動機の書き方と例文も読んでみてください。

まとめ

理学療法士の転職回数に、決まった上限はありません。見られるのは、在籍期間と移った理由がつながっているか、次は長く働けそうかです。

領域の移り方を自分の言葉で説明できるようにし、職務経歴書を同じ形でそろえ、入る前に確かめることを決めておきましょう。回数は変えられませんが、伝え方と次の選び方は今から変えられます。

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