【必見】作業療法士がスキルアップする方法や資格・検定

作業療法士がスキルアップする方法や資格・検定

作業療法士の有資格者数は、年間6000人ほどのペースで増加をしており、いずれは飽和状態となる可能性を指摘されています。

飽和状態になった際に、作業療法士が生き残るためにはスキルアップが必要となり、作業療法士としての価値を高める必要があるのです。

スキルアップの方法としては、ひたすらに勉学に励んだり技術を身に着けるために勉強会に行ったりすることも有用ですが、自身のスキルを形として残すためには資格や検定を受けるという方法もあります。

作業療法士としてスキルアップする必要がないと考える方も、中にはいるかと思います。

しかし、作業療法士が増加し高齢者からの需要が低下していくという未来を考えた際には、作業療法士の質を問われることになります。

作業療法士として生き残りたいという気持ちがあるのであれば、少しでも専門の知識や技術を身につけましょう。

 

【必見】作業療法士がスキルアップする方法や資格・検定

作業療法士がスキルアップする方法

早速、作業療法士がスキルアップする方法を解説します。

作業療法士がスキルアップする方法は、大きく分けて3つあります。

作業療法士がスキルアップする方法

 

スキルアップできる環境に身を置く

作業療法士がスキルアップするためには、環境が最も重要です。

というのも、作業療法士の職場によっては資格を取得するための支援が充実していたり、スキルアップに対する意欲が高い人が集まっていることがあるからです。

正直、スキルアップの意欲があっても周囲の意欲が少なかったり、技術のレベルが低ければ継続した努力をすることはできません。

何より、上司がスキルアップや技術を教示してくれる環境でなければ作業療法士の技術を高めることは非常に難しいのです。

現在の職場が、資格に対する補助金がないという場合や、周囲のスキルアップに対する意欲が薄いという場合は、早めに転職することをおススメします。

作業療法士などの国家資格の大きなメリットは、転職しても大きな価値の低下につながらないということです。

積極的に自分を高めることができる環境へ転職をしましょう。

ちなみに、少しでも理想の職場へ転職する方法は、多くの求人を見ることです。

ハローワークだけ見ているという方は意外と多いのですが、実はハローワークの求人が全てではありません。

良い職場を見つけるためには、ハローワークにない非公開求人が多数掲載されている『転職エージェント』を利用してみましょう。

簡単に5つ紹介しましょう。

作業療法士におすすめの転職エージェント5選

 

1.PT・OT・STワーカー

求人数がもっとも多く、未登録なら最初に登録すべきエージェント

 

2.レバウェルリハビリ(旧リハのお仕事)

好待遇・好条件の非公開求人が多いので他のエージェントとの併用で登録必須◎

 

3.PT・OTキャリアナビ

電話・メール・LINEなど多彩な連絡手段で気軽に、紹介してもらえる

 

4.マイナビコメディカル

大手マイナビのエージェント。信頼性トップレベルで安心の転職ができる

 

5.PT・OT人材バンク

介護施設の求人も豊富で全体的な求人数もトップクラス

作業療法士の転職エージェントは数多くありますが、それぞれ異なる特徴があります。また、掲載されている求人も異なりますので最低でも2つは並行して利用するようにしましょう。

上記エージェントの詳細をご覧になりたい方は以下の記事にまとめていますので、是非ご観覧ください。

>>【現役OTが選ぶ】作業療法士におすすめの転職エージェントランキング

 

 

資格・検定を取得する

スキルアップと聞いて、最も認識が高いのは『資格試験・検定試験』を受け、資格取得することですね。

確かに、今後自分の価値を高めるという点では、資格などの形に残るものを残した方が良いでしょう。

また、転職においても資格の取得は大きく評価を上げることに繋がります。

資格や検定には、実務経験や協会への加入歴が必要なものから、作業療法士などの国家資格を取得していない方でも受けることができる民間資格もあります。

そして、最も作業療法士の資格として評価が高いといえるのは、認定資格や専門作業療法士となることでしょう。

作業療法士がスキルアップのために取得すべき資格についてもこの記事に記載していますので、資格取得を目指したい作業療法士は参考になるかと思います。

 

ダブルワークで経験を得る

一般的に、作業療法士のスキルアップで思い浮かぶのは『転職』『資格・検定』の2つかと思います。

しかし、実は作業療法士としての経験を高める方法としてはダブルワークをするという選択肢も存在します。

ダブルワーク・副業と聞くと作業療法士以外の仕事をしたりするイメージがある方もいるかとは思います。

作業療法士は、給与が低く、全国の年収平均を下回るほどです。

作業療法士の給与の低さを考えると、将来のために副業をしたり、条件の良い職場へ転職することは必要不可欠といえるでしょう。

ですので、どのような副業でも実施することは将来の対策になり、おすすめします。

しかし、副業は本業に支障をきたしてしまう可能性があるというデメリットも存在するのです。

本業をおろそかにしたくないし、スキルアップのためには作業療法士の勉強に時間を使いという、意欲の高い作業療法士もいるでしょう。

そんな方には、訪問リハビリやデイケア・介護施設などでアルバイトをするという選択肢もあります。

非常勤の仕事を探すのであれば、ハローワークよりも以下の転職エージェントの方が条件の良い求人が豊富ですので、登録して求人を確認してみてください。

作業療法士の非常勤に強い転職エージェント

 

1.PT・OT・STワーカー

求人数がもっとも多く、非常勤の求人も多数

 

2.マイナビコメディカル

大手マイナビのエージェント。信頼性トップレベルで安心の転職ができる

 

3.PT・OT人材バンク

介護施設の求人も豊富で全体的な求人数もトップクラス

 

作業療法士がスキルアップのために取得すべき資格・検定

作業療法士がスキルアップのために取得すべき資格・検定

作業療法士の資格や検定に関しては、民間の資格と作業療法士協会が認定する認定資格と専門資格があります。

では、早速作業療法士におすすめの資格を紹介していきます。

 

福祉住環境コーディネーター

試験概要

  • 取得難易度:簡単~難しい(1~3級)
  • スキルアップ力:低
  • 受験資格:なし

福祉住環境コーディネーターは、高齢者や障碍者が生活をする際に、住宅や福祉用具のアドバイスをする資格です。

作業療法士は、特に生活に関わっていくべき職種ですので、取得しておくと役に立ちます。

また、住宅改修や福祉用具の検討の際にも知識を生かす場面があるため、作業療法士としてスキルアップをする際には、最初に取るべき資格ともいえるでしょう。

また、受験資格は特になく作業療法士の学生が受験することも多い資格です。

作業療法士の国家試験に合格するレベルの知識があれば、そう難しい試験ではなく3級を飛ばして2級を受験する方も多いようです。

ちなみに、私も3級は受験せずに2級のみ取得しました。

1級に関しては、取得難易度が高く、1級建築士が取得するレベルとのことですので、作業療法士が取得するには2級程度が望ましいと感じます。

 

認知症ライフパートナー

試験概要

  • 取得難易度:簡単~難しい(1~3級)
  • スキルアップ力:低~中
  • 受験資格:制限なし(1級受験には、2級合格が必要)

認知症ライフパートナーは、一般社団法人 日本認知症コミュニケーション協会が行っている検定資格です。

認知症ライフパートナーは認知症の人が、住み慣れた場所で居心地よく生活することができるように、支援をする役割があります。

そのための、コミュニケーションやアクティビティ、食生活など様々な知識を問われます。

取得難易度としては2級で作業療法士国家試験のレベルだと感じました。

作業療法士国家資格を取得している方であれば、2級の取得は容易にできるのではないかと思います。

また、1級に関しては2級に合格しなければ受験することができないので、気になる方は2級から取得してみましょう。

 

呼吸療法認定士

試験概要

  • 取得難易度:普通~難しい
  • スキルアップ力:高
  • 受験資格:実務経験2年以上で認定講習会を受講した人
  • 5年毎に更新が必要

呼吸器に対する専門性を上げたいという方は、呼吸療法認定士の資格がおすすめです。

作業療法士が、呼吸療法認定士の資格取得が可能となったのは、2014年からであり資格取得者は多くありません。

そのため、呼吸器の知識や技術が必要な職場においては非常に重要視されることになるでしょう。

注意点としては、受験条件があることや、無事に資格取得したとしても5年ごとに更新をしなければならないということです。

 

認知症ケア専門士

試験概要

  • 取得難易度:普通~難しい
  • スキルアップ力:高
  • 受験資格:試験実施より過去10年の間に認知症ケアに関する施設、団体、機関などで認知症の方に携わる実務経験が3年以上あること

高齢者が増加し続ける日本では、認知症を発症する方も多くなってきています。

作業療法士として、働くほとんどの方は認知症の方と関わることになるでしょう。そのなかで、作業を用いた活動を行うことや手指の巧緻動作を行うことで、認知機能の改善が望めることから、作業療法士に対する期待は非常に大きい状態です。

作業療法士がスキルアップしていくためには、認知症に対する知識も必要です。

認知症ケア療法士は、その中でも評価・難易度の高い資格であり、受験条件を満たしている方は是非受けることをおすすめします。

 

心臓リハビリテーション指導士

試験概要

  • 取得難易度:普通~難しい
  • スキルアップ力:高
  • 受験資格

1本委員会主催の講習会を当該年度に受講していること

2医師、看護師、理学療法士、臨床検査技師、管理栄養士、薬剤師、臨床工学技師、
3臨床心理士、公認心理師、作業療法士、あるいは健康運動指導士のいずれかの資格を有していること

4申請時に本学会会員であり、申請時の直近2年以上継続して会員歴があること。

5心臓リハビリ指導の実地経験が1年以上あること、または心臓リハビリ研修制度により受験資格認定証の交付を受けていること。

 

心臓リハビリテーションを行っている方には、心臓リハビリテーション指導士の取得もお勧めです。

作業療法士に関しては、心臓リハビリテーションに関わることが少ないとは思いますが、循環器科に勤めている作業療法士であれば、心大血管疾患の知識も必要となるでしょう。

また、作業療法士の取得者も多くないことから、専門的な希少性は高く、評価も向上しやすいでしょう。

しかし、受験資格には大きな制限もあり、日本心臓リハビリテーション学会に入会し2年経っていることが条件になるなど、思い立ってすぐに取得できないことは注意が必要です。

 

健康運動指導士

試験概要

  • 取得難易度:普通~難しい
  • スキルアップ力:高
  • 受験資格

(1)4年制体育系大学の卒業(見込)者、医療系の資格保有者の場合:健康運動指導士養成講   習会を修了する
(2)上記の資格や学歴がない場合:健康運動指導士養成校へ入校し養成講座を修了する

健康運動指導士は、運動指導を行う専門家として役に立つ資格です。

作業療法士に関しても、運動指導は行っていく必要がある職業ですので、運動療法に関しての知識向上には欠かせない資格となります。

 

 

整容介護コーディネーター

試験概要

  • 取得難易度:普通
  • スキルアップ力:中
  • 受験資格:なし
  • 2年ごとの更新が必要

作業療法士はADL(日常生活活動)能力の向上を図るための専門職です。

しかし、ADLに特化した資格は少なく整容介護コーディネーターは作業療法士にとって貴重なスキルアップできる資格でしょう。

また、受験資格もないため新米作業療法士にもおすすめできる資格です。

 

レクリエーションインストラクター

試験概要

  • 取得難易度:普通
  • スキルアップ力:中~高
  • 受験資格

公益財団法人日本レクリエーション協会が認定した課程認定校に通うもしくは、養成講習会を受講

精神科やデイケア等で働く作業療法士は、集団リハビリてーーションとしてレクリエーションをする機会が少なくないでしょう。

しかし、レクリエーションに意味を見出したりアイデアを出し続けるのは非常に難しいですよね。

レクリエーションに関するスキルや知識を身に着けたいという方にお勧めするのが、このレクリエーションインストラクターです。

レクリエーションインストラクターの資格取得によって、集団リハビリテーションの質を高めましょう。

 

作業療法士協会の認定・専門資格

最後に紹介するのは、作業療法士協会の認定・専門資格です。いわゆる『認定作業療法士』『専門作業療法士』というものです。

難易度は非常に高いのですが、その分周囲からの評価も高く、専門性の高い作業療法士としての証明となります。

専門作業療法士には10の専門分野があり、認定作業療法士として専門分野における勤務年数が取得資格となるため、専門作業療法士になりたい方は、早めに分野を決めて働くするようにしましょう。

専門作業療法士の10分野

  • 福祉用具
  • 認知症
  • 手外科
  • 特別支援教育
  • 高次脳機能障害
  • 精神科急性期
  • 摂食嚥下
  • 訪問
  • がん
  • 就労支援

 

作業療法士がスキルアップする方法や資格【まとめ】

作業療法士がスキルアップするためには、第一にスキルアップできる環境に身を置くことが必要となります。

また、副業・ダブルワークとして訪問リハビリをするなど、作業療法士として働く時間を多くすることもスキルアップにつながるでしょう。

そして、スキルアップした証明となるものが資格や検定です。

作業療法士におすすめの資格は数多くありますが、取得の条件や難易度・重要度などは様々です。

自分に必要だと感じる資格は積極的に取得するようにしましょう。

スキルアップすることが、作業療法士として生き残っていくカギになりますよ。