理学療法士の志望動機の書き方|新卒・転職・職場別の例文と注意点【現役OT】

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「理学療法士の志望動機が書けない」「どの病院にも同じことを書いている気がする」「転職の理由をどう書けばいいかわからない」。履歴書を前に、手が止まっている人に向けた記事です。

私は現役の作業療法士です。職種は違いますが、リハビリ職の就職・転職で聞かれることには、共通する部分が多くあります。この記事では、志望動機の組み立て方を4つの手順にして、新卒・転職・職場別の例文と、やってはいけない書き方をまとめます。

OT
この記事を書いた人:だぶ
現役の作業療法士。急性期病院で働きながら、障害のある方の就労支援にも関わっています。リハビリ職の働き方・給料・転職について、現場の目線で発信しています。

この記事の結論

  • 志望動機は、「きっかけ」「その職場を選ぶ理由」「自分ができること」「入職後にしたいこと」の4つで組み立てる
  • 一番差がつくのは「なぜ、この職場か」。その職場でしか書けない事実を1つ入れると、使い回しに見えなくなる
  • 転職では、前の職場の不満を書かず、「次の職場で実現したいこと」に言い換える
  • 例文は型として使い、経験の部分は必ず自分の事実に置きかえる


採用する側は、志望動機で何を見ているか

志望動機で見られているのは、文章のうまさだけではありません。主に次の3つです。

  1. この職場を理解しているか:どんな患者さん・利用者さんが多い職場かをわかったうえで応募しているか
  2. 一緒に働くイメージが持てるか:できること、学びたいことが、職場の役割と合っているか
  3. すぐ辞めそうではないか:転職の理由と次の職場を選んだ理由に、つながりがあるか

つまり、「理学療法士になりたい理由」だけでは足りません。「なぜ、この職場で働きたいのか」まで書いて、はじめて志望動機になります。

志望動機の4つの要素:きっかけ、この職場を選ぶ理由、できること、したいこと

志望動機を4つの手順で組み立てる

手順1:きっかけを1つ決める

理学療法士を目指した理由や、今の領域に興味を持った場面を、1つだけ選びます。「人の役に立ちたい」で終わらせず、いつ、どんな場面だったかまで書きましょう。

  • 悪い例:人の役に立つ仕事がしたいと思いました
  • よい例:実習で、歩行が安定して表情が明るくなった患者さんを担当し、退院後の生活まで考える大切さを感じました

手順2:その職場を選ぶ理由を探す

ここが一番大切です。ホームページや求人票、見学で、次のことを確かめます。

  • 病床の種類や、多い疾患(急性期、回復期、整形外科、脳卒中など)
  • 訪問やデイケアなど、退院後につながる部門があるか
  • 新人教育や、研修、学会発表についての記載
  • 理念や、地域での役割
  • リハビリ科の人数と、他職種との連携の様子

「理念に共感しました」だけでは、どこにでも書けてしまいます。理念のどの言葉が、自分のどの経験とつながるのかまで書きましょう。

手順3:自分ができることを書く

新卒なら実習や学業、部活で取り組んだこと。経験者なら、担当した疾患、経験年数、役割、学んだことです。大げさに書く必要はありません。数字や具体的な場面を入れると伝わります。

手順4:入職後にしたいことで締める

「勉強させていただきたいです」だけだと、受け身に見えることがあります。「〇〇の経験を生かして、〇〇に取り組みたい」と、職場に何を返せるかまで書きましょう。

文字数の目安

履歴書の欄に合わせるのが基本です。欄が大きくなければ、200〜300字を目安に、4つの要素を1〜2文ずつにすると収まります。面接では、同じ内容を1分くらいで話せるようにしておきましょう。

【新卒】理学療法士の志望動機の例文

新卒では経験より、実習での学びと、入職後に学ぶ姿勢を見られます。次の例文はすべて、型を示すための例です。そのまま使わず、自分の事実に置きかえてください。

例文1:急性期病院

臨床実習で、発症直後から離床を進めることで、患者さんの回復が大きく変わる場面を見て、急性期のリハビリに関心を持ちました。貴院は救急を多く受け入れており、早期から多職種で介入している点に魅力を感じています。実習で学んだリスク管理の基礎を土台に、まずは全身状態を正しく評価できる理学療法士を目指して、新人教育の中で力をつけていきたいと考えています。

例文2:回復期リハビリテーション病院

実習で担当した脳卒中の患者さんと、退院後の生活を想定した練習に取り組み、在宅復帰を支える仕事にやりがいを感じました。貴院は回復期病棟に加えて訪問リハビリの部門があり、退院後の生活まで見て学べる点に魅力を感じています。実習で意識してきた患者さんとの対話を生かし、ご本人の目標に沿ったリハビリを提供できるようになりたいと考えています。

【転職】理学療法士の志望動機の例文

転職では、経験と転職の理由のつながりを見られます。前の職場への不満は書かず、次にしたいことへ言い換えましょう。

例文3:急性期から回復期へ

急性期病院で5年間、主に脳血管疾患の患者さんを担当してきました。早期離床に取り組むなかで、転院後の生活まで関わりたいという思いが強くなりました。貴院は在宅復帰に向けて、家屋調査や退院前の指導に力を入れていると伺い、志望しました。急性期で培ったリスク管理の経験を生かしながら、生活を見すえたリハビリに取り組みたいと考えています。

例文4:病院から訪問リハビリへ

回復期病棟で7年間働くなかで、退院後の生活に不安を持つ方を多く担当し、生活の場で支えたいと考えるようになりました。貴事業所は医師や看護師、ケアマネジャーとの情報共有を大切にされていると見学で伺い、志望しました。一人で訪問する責任は重いと感じていますが、病棟で身につけた評価とご家族への説明の経験を生かしていきたいと考えています。

例文5:残業や働き方を変えたい場合

現職では外来と病棟を担当し、幅広い疾患を経験してきました。今後は育児と両立しながら、長く臨床を続けたいと考えています。貴院は整形外科の外来が中心で、チームで担当を調整していると求人票で拝見し、経験を生かしながら安定して働ける環境に魅力を感じました。徒手療法と運動指導の経験を生かし、継続して通いやすいリハビリに貢献したいと考えています。

「残業が多いから」と書かなくても、「長く臨床を続けたい」と書けば伝わります。働き方の条件は、書類より、面談や見学で具体的に確かめましょう。条件の確かめ方は楽でホワイトな職場の見分け方にまとめています。

職場別:入れると伝わりやすいポイント

職場によって、見られやすいポイントは違います。求人の内容とあわせて確かめてください。

職場 触れるとよいこと 志望動機に入れる例
急性期病院 リスク管理、早期離床、多職種連携 全身状態を評価する力をつけたい
回復期病院 在宅復帰、ADL、チームでの目標設定 生活を見すえたリハビリに取り組みたい
整形外科クリニック 運動器、外来でのコミュニケーション 評価と運動指導で通院を支えたい
訪問リハビリ 生活の場、家族、ケアマネジャーとの連携 自宅での生活を直接支えたい
老健・デイケア 生活機能の維持、在宅との橋渡し 利用者さんの暮らしを長く支えたい
小児・発達支援 発達段階、家族支援、学校との連携 家族と一緒に成長を支えたい

それぞれの職場の働き方は、訪問リハビリや老健の記事でも紹介しています。

書かないほうがいい志望動機

避けたい書き方 理由 言い換えの例
「家から近いので」 職場を選んだ理由が伝わらない 「地域の方を長く支えたい」と、地域とのつながりで書く
「給料がよいので」 条件だけが目的に見える 条件は面談で確かめ、書類には仕事の内容を書く
「勉強させてください」 受け身に見えることがある 「学んで、〇〇に生かしたい」と続ける
「前の職場の人間関係が悪くて」 同じ理由でまた辞めそうに見える 「チームで話し合いながら進めたい」と希望で書く
「理念に共感しました」だけ どこにでも書ける 理念の言葉と自分の経験をつなげる
例文の丸写し 面接で深く聞かれると答えられない 経験の部分を自分の事実に置きかえる

志望動機が書けないときの対処

手が止まるときは、志望動機そのものではなく、材料が足りないことが多いものです。次の順で試してみてください。

  1. 印象に残った場面を3つ書き出す:実習や仕事で、うれしかった場面とつらかった場面を、文章にせずメモします
  2. 見学に行く:その職場で見たことは、そのまま「なぜ、ここか」の材料になります。見学の時に聞いた話は、志望動機に使いやすい事実です
  3. 「なぜ」を2回くり返す:「回復期がいい」→なぜ→「退院後の生活に関わりたい」→なぜ→「急性期で、その後を見られなかったのが心残りだった」。ここまで来ると、自分の言葉になります
  4. 人に読んでもらう:実習先の先生、先輩、学校の先生に読んでもらいましょう。転職なら、エージェントの担当者に応募先に合わせて見てもらう方法もあります

転職理由とのつながりを確かめる

転職の面接では、志望動機と退職理由をセットで聞かれることが多くあります。この2つがつながっていないと、「本当の理由は別にあるのでは」と思われやすくなります。

本当の理由 面接での伝え方の例 志望動機につなげる
残業が多い 「限られた時間で質の高いリハビリを続けられる環境で働きたい」 効率やチーム体制を重視している点
給料が上がらない 「経験や役割が評価される環境で、責任を持って働きたい」 役割や評価の仕組みがある点
人間関係がつらい 「多職種で話し合いながら進める環境で働きたい」 カンファレンスや連携の様子
領域を変えたい 「〇〇の経験をもとに、〇〇にも関わりたい」 その領域に力を入れている点

うそをつく必要はありません。事実を変えずに、次にどうしたいかを中心に話すということです。聞かれたことには正直に答えましょう。転職の回数が気になる人は理学療法士の転職回数の記事も参考にしてください。今の職場を辞めるか迷っている人は、理学療法士を辞めたいと思ったらの記事で、原因の分け方を紹介しています。

面接で志望動機を聞かれたときのコツ

書類に書いたことと、面接で話すことがずれないようにしましょう。ポイントは次の3つです。

  • 丸暗記しない:4つの要素だけ覚えて、自分の言葉で話します
  • 1分くらいで話す:長くなりそうなら、きっかけを短くします
  • 深掘りに備える:「なぜ、ほかの病院ではなくうちなのか」「入職後に何をしたいか」「それはうちでなくてもできるのでは」と聞かれた時の答えを考えておきます

面接全体の準備は理学療法士の面接の記事にまとめています。

提出前の5つのチェック

  1. 応募先の名前を変えるだけで、ほかの職場にも出せる文章になっていないか
  2. きっかけ、職場を選ぶ理由、できること、したいことの4つが入っているか
  3. 実際の経験と違うことを書いていないか(経験年数、担当した疾患など)
  4. 前の職場の悪口になっていないか
  5. 「病院」と「施設」、「患者さん」と「利用者さん」など、応募先に合う言葉になっているか

転職なら、書類を見てもらう方法もある

転職の場合、応募先の情報が足りないと「なぜ、ここか」を書きにくくなります。リハビリ職に特化した転職エージェントなら、職場の雰囲気やリハビリ科の体制を聞けることがあり、書類や面接の相談もできます。ただし、情報の量や担当者の相性には差があるので、1社の話だけで決めないようにしましょう。

サービスの違いはPTOTSTワーカーとPTOT人材バンクの比較で紹介しています。

よくある質問

新卒で、志望動機に書ける経験がありません

実習やアルバイト、部活の経験で十分です。大きな成果でなくても、「何を考えて、どう変えたか」を書けば伝わります。実習の話は、患者さんの個人情報が特定されないように書きましょう。

複数の病院に同じ志望動機を出してもいいですか?

きっかけと、できることは同じでかまいません。ただ、「なぜ、この職場か」の部分は、応募先ごとに書き直しましょう。

第一志望でない職場の場合は、どう書けばいいですか?

第一志望かどうかを書く必要はありません。その職場で魅力を感じた点を、見学や求人票で探して、正直に書きましょう。面接で聞かれたら、うそをつかず、前向きに答えられるように考えておきます。

ブランクがある場合は、どう書けばいいですか?

ブランクの理由を簡単に伝え、復帰に向けて準備していることを書きましょう。研修や勉強など、実際にしていることがあれば入れます。不安な点は面談で聞いて、新人研修や復職支援があるか確かめましょう。

パートの応募でも、志望動機は必要ですか?

必要です。短くてもかまいません。働ける曜日や時間帯と、経験を生かせることを書くと、一緒に働くイメージを持ってもらえます。

「理学療法士を目指した理由」も書くべきですか?

新卒なら、入れると自然です。転職では、長く書くより、これまでの経験と、次の職場を選ぶ理由に字数を使いましょう。

まとめ

理学療法士の志望動機は、「きっかけ」「その職場を選ぶ理由」「自分ができること」「入職後にしたいこと」の4つで組み立てます。一番差がつくのは「なぜ、この職場か」です。見学や求人票で見つけた事実を1つ入れましょう。

転職では、不満をそのまま書かず、次にしたいことへ言い換えます。ただし、事実は変えません。例文は型として使い、経験の部分は自分の言葉に置きかえてください。

書けないときは、印象に残った場面を3つ書き出すことから始めてみましょう。

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