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「転職したいけど、自分が何をしたいのかわからない」「面接で『あなたの強みは?』と聞かれて答えられなかった」「次の職場でも同じ不満を抱えそうで怖い」。理学療法士が転職を考えるとき、多くの人がつまずくのが自己分析です。
私は現役の作業療法士です。この記事では、理学療法士が転職の前にやっておきたい自己分析のやり方を、5つのステップと書き込み式のワークで紹介します。自己分析の結果を、職場選びと面接にどう生かすかまでまとめます。
この記事の結論
- 自己分析の目的は、「なぜ辞めたいのか」「次に何を大切にしたいのか」「自分は何ができるのか」をはっきりさせること
- やり方は5ステップ:①今の不満を書き出す → ②不満を「大切にしたいこと」に言いかえる → ③経験を棚卸しする → ④強みを言葉にする → ⑤条件に優先順位をつける
- 理学療法士の経験は、担当した病気・時期・関わった職種・身についた力に分けて整理すると、面接で伝えやすくなる
- 一人で整理しきれないときは、転職サイトの担当者との面談を自己分析の場として使う方法もある
この記事の目次
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なぜ転職の前に自己分析が必要なのか
自己分析をしないまま転職すると、次のようなことが起こりがちです。
- 同じ不満をくり返す:「人間関係が嫌」で辞めたのに、次の職場でも同じことで悩む
- 条件だけで選んでしまう:給料が高い求人に飛びついて、仕事の中身や働き方が合わない
- 面接で答えられない:志望動機や強みが言葉にならず、印象が弱くなる
特に理学療法士は、病院・クリニック・介護・訪問など働く場所の選択肢が多いぶん、何を基準に選ぶかを決めておかないと、求人を見るたびに迷ってしまいます。
自己分析は、自分を「良く見せる」ためのものではありません。次の職場で後悔しないために、自分の考えを整理する作業です。

ステップ1:今の不満を書き出す
まずは、今の職場で感じている不満を、遠慮せずにすべて書き出します。きれいな言葉にする必要はありません。
書き出すときのヒント
- お金:基本給、賞与、昇給、残業代
- 時間:残業、休日、有給の取りやすさ、記録の時間
- 人間関係:上司、先輩、同僚、他職種
- 仕事の中身:担当する患者さん、単位数、やりたいリハビリができるか
- 将来:キャリア、学べる環境、体力的に続けられるか
書き出したら、それぞれに「どのくらいつらいか」を3段階(とてもつらい・つらい・少し気になる)でつけてみましょう。何がいちばんの理由なのかが見えてきます。
ステップ2:不満を「大切にしたいこと」に言いかえる
不満の裏には、あなたが大切にしたいことが隠れています。ステップ1で書き出した不満を、次のように言いかえてみましょう。
| 今の不満 | 大切にしたいこと |
|---|---|
| 記録が終わらず毎日残業している | 勤務時間内に仕事を終えて、家族との時間を持ちたい |
| 先輩の言い方がきつく、質問しにくい | 相談しやすく、教え方が丁寧な職場で成長したい |
| 18単位をこなすだけで、じっくり関われない | 一人の患者さんと、生活の場で長く関わりたい |
| 昇給が年に数千円しかない | 経験や役割が給料に反映される職場で働きたい |
| 同じ領域ばかりで、ほかの経験が積めない | 新しい分野に挑戦して、できることを増やしたい |
言いかえるときは、「〜が嫌」ではなく「〜したい」の形にするのがコツです。この「大切にしたいこと」が、次の職場を選ぶ軸になります。面接で転職の理由を聞かれたときも、不満ではなく「大切にしたいこと」として伝えると、前向きな印象になります。
ステップ3:経験を棚卸しする
次に、これまでの理学療法士としての経験を整理します。理学療法士の経験は、次の4つに分けると整理しやすくなります。
- 担当した病気・けが:脳卒中、骨折、人工関節、心臓や肺の病気、スポーツのけが、など
- 担当した時期・場所:急性期、回復期、生活期(老健・デイ・訪問)、外来など
- 関わった職種:医師、看護師、ケアマネジャー、医療ソーシャルワーカー、家族など
- 担当した役割:新人の指導、委員会、勉強会の運営、実習生の担当、家屋調査、退院の調整など
それぞれについて、「どのくらいの期間」「どのくらいの人数」「どんな工夫をしたか」をメモしておくと、面接で具体的に話せます。たとえば「回復期で3年間、主に脳卒中の患者さんを担当し、退院前の家屋調査を年に〇件ほど担当した」のように書いてみましょう。
ステップ4:強みを言葉にする
経験の棚卸しができたら、そこから自分の強みを言葉にします。強みは、特別な資格や実績でなくてもかまいません。
強みを見つける3つの質問
- 患者さんや家族から、よく感謝されたことは何か
- 先輩や他職種から、頼まれることが多い仕事は何か
- 自分では苦にならないのに、ほかの人は大変そうにしていることは何か
たとえば「患者さんの話をじっくり聞いて、目標を一緒に決めるのが得意」「家族への説明をわかりやすくするのが得意」「新人に教えるのが好き」なども、立派な強みです。強みは、「強み+それを示す具体的なエピソード」のセットで用意しておきましょう。
ステップ5:条件に優先順位をつける
最後に、次の職場に求める条件に優先順位をつけます。すべての条件を満たす職場はほとんどないので、「これだけは譲れない」ものを決めておくことが大切です。
| 順位 | 条件(例) |
|---|---|
| 絶対にゆずれない | 残業が少ない(記録が勤務時間内)、通勤時間1時間以内 |
| できれば欲しい | 年収が今より上がる、教育の体制がある |
| なくてもよい | 土日休み、大きな病院 |
優先順位が決まると、求人を見るときに迷いにくくなり、面接で「なぜうちを選んだのか」と聞かれたときにも答えやすくなります。
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書き込みの例
5つのステップをまとめると、たとえば次のようになります。経歴は、書き方の型を示すための架空の例です。
- ①今の不満:記録が終わらず毎日1時間ほど残業(とてもつらい)、先輩に質問しにくい(つらい)、昇給が少ない(少し気になる)
- ②大切にしたいこと:勤務時間内に仕事を終えたい。相談しやすい職場で成長したい
- ③経験:急性期の病院で4年。整形外科と脳卒中の患者さんを中心に担当。実習生の担当を2回、転倒予防の委員会に参加
- ④強み:患者さんの不安を聞き取り、目標を一緒に決めるのが得意(例:退院に不安が強い患者さんと、自宅での生活を想定した目標を話し合い、意欲を引き出せた)
- ⑤優先順位:絶対にゆずれない=記録が勤務時間内、教育の体制がある。できれば欲しい=年収が下がらない。なくてもよい=土日休み
このように1枚にまとめておくと、求人を比べるときにも、面接の準備にも使えます。
経験年数ごとの自己分析のポイント
1〜3年目
経験が少ないうちは、「何ができるか」よりも「何を学びたいか」「どんな環境なら成長できるか」を中心に整理しましょう。教育の体制や、相談できる先輩がいるかは、特に大切な条件です。短い期間での転職でも、理由と次にやりたいことを説明できれば、前向きに受け取ってもらえることがあります。
4〜9年目
一人で患者さんを担当できる力がつき、後輩の指導や委員会など、役割も増えてくる時期です。担当してきた病気や時期、役割を具体的に整理し、「次の職場で何を伸ばしたいか」をはっきりさせましょう。専門性を深めるか、生活期などに分野を広げるかを考える時期でもあります。
10年目以上
リーダーや管理職、教育の担当など、役割の経験が強みになります。一方で、給料や役職の条件が合う求人は限られることもあります。「現場で患者さんと関わり続けたいのか」「管理や教育の役割を担いたいのか」を整理しておくと、求人を選びやすくなります。
自己分析でやりがちな失敗
- 不満だけで終わる:不満を書き出しただけでは、次の職場の選び方は決まりません。必ず「大切にしたいこと」に言いかえましょう
- 理想の条件を全部並べる:優先順位をつけないと、どの求人も物足りなく見えてしまいます
- 強みを大きく見せようとする:面接では、具体的なエピソードのほうが伝わります。小さな経験でも、事実を正直に書きましょう
- 一人で抱え込む:考えが堂々めぐりになったら、人に話してみることが近道です
自己分析を職場選びに生かす
自己分析で見えてきた「大切にしたいこと」と「強み」をもとに、どんな職場が合いそうかを考えます。
| 大切にしたいこと | 合いやすい職場の例 |
|---|---|
| いろいろな病気を経験して力をつけたい | 急性期の病院、リハビリ職の多い病院 |
| 一人の患者さんとじっくり関わりたい | 回復期の病院、訪問リハビリ |
| 生活の場で、長く関わりたい | 老健、デイケア、デイサービス、訪問 |
| 勤務時間を安定させたい | 日中の勤務が中心の職場(外来クリニック、デイサービスなど) |
| 給料を上げたい | 賃上げや昇給の仕組みがはっきりしている職場 |
職場の種類は目安で、実際の働きやすさは同じ種類の職場でも大きく違います。見学や、転職サイトの担当者を通して、職場の中身まで確かめましょう。
自己分析を面接に生かす
面接でよく聞かれる質問と、自己分析とのつながりです。
- 「転職の理由は?」:ステップ2の「大切にしたいこと」を中心に答えます。前の職場の悪口にならないように気をつけましょう
- 「あなたの強みは?」:ステップ4の「強み+エピソード」を使います
- 「これまでの経験は?」:ステップ3の棚卸しをもとに、病気・時期・役割を具体的に話します
- 「なぜうちの職場を選んだのか?」:ステップ5の優先順位と、その職場の特徴を結びつけて答えます
自己分析を職務経歴書に生かす
自己分析の結果は、職務経歴書にもそのまま使えます。理学療法士の職務経歴書では、次の順にまとめると読みやすくなります。
- 職務の要約:何年、どんな職場で、主にどんな患者さんを担当してきたかを3〜4行で
- 職務の経歴:職場ごとに、病床の種類、担当した病気、1日の担当人数の目安、役割(指導・委員会など)
- 生かせる経験・知識:ステップ3の棚卸しから、応募先で役立つものを選ぶ
- 自己PR:ステップ4の「強み+エピソード」
応募先ごとに、「生かせる経験」と「自己PR」の中身を少しずつ変えると、その職場に合った人だと伝わりやすくなります。
一人で自己分析がうまくいかないときは
自己分析は、一人でやると堂々めぐりになりがちです。そんなときは、次の方法も試してみましょう。
- 信頼できる同期や先輩に聞く:「私の強みって何だと思う?」と聞くと、自分では気づかない強みがわかります
- 転職サイトの担当者と面談する:これまでの経験や不満を話すうちに、考えが整理されていきます。担当者は多くの転職を見てきているので、「その経験なら、こんな職場で生かせる」と、選択肢を広げてもらえることもあります
転職サイトの面談は、「すぐに転職したいわけではない」という段階でも使えます。自己分析の壁打ちの相手として使い、今の条件が相場と比べてどうかも聞いておくと、今の職場に残るか、移るかを判断しやすくなります。
よくある質問
Q. 自己分析にはどのくらい時間をかければいいですか?
A. 一度に完璧を目指す必要はありません。まずは1時間ほどで、ステップ1と2だけでも書き出してみましょう。そのうえで、求人を見たり人と話したりしながら、少しずつ書き足していくのがおすすめです。
Q. 強みが見つかりません。
A. 「患者さんから感謝されたこと」「頼まれることが多い仕事」から考えてみましょう。小さなことでも、エピソードがあれば強みになります。同僚に聞いてみるのも効果的です。
Q. 自己分析をしたら、今の職場に残ったほうがいい気がしてきました。
A. それも自己分析の大切な結果です。不満の原因が職場の仕組みではなく、話し合いで解決できるものなら、上司に相談してみる価値があります。
Q. 転職するかまだ決めていなくても、自己分析をしたほうがいいですか?
A. はい。自己分析をしておくと、今の職場に残る場合も、上司に何を相談すればよいかがはっきりします。転職するかどうかを決めるための材料にもなります。
まとめ
理学療法士の転職の自己分析は、①今の不満を書き出す、②不満を「大切にしたいこと」に言いかえる、③経験を棚卸しする、④強みを言葉にする、⑤条件に優先順位をつける、の5ステップで進めましょう。
自己分析で見えた「大切にしたいこと」が職場選びの軸になり、「強み+エピソード」が面接での武器になります。一人で整理しきれないときは、転職サイトの担当者との面談も活用してください。
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